30 旅と食事:内田百閒『阿房列車』③

 そして『阿房列車』、旅と食事の話はまだありまして。


 バナナ。ゆで玉子。トースト。珈琲。サンドウィッチ。ウイスキー。お酒。


 車内の食事として出てくる軽食が、やっぱり旅らしく思えて、なんだかよい感じです。汽車に揺られているような気までしてきます。


 しかし先生、宿で出た塩っ気のないお握りとか、あんまりおいしくなかったものの話も余さず書いています。でも、またそんな当たりハズレも旅情(笑)


 ところでこの『阿房列車』の、ヒマラヤ山系くんと百閒先生のおとぼけ旅、ロレンス・スターン作品との接点が認められるそうですよ。


◆内田百閒 とロレンス・スターン ― 『阿房列車』 と 『センティメンタル・ジャーニイ』 を中心に

http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000004330


 昔こちらを読み、『センティメンタル・ジャーニィ』も読んでみました。

 たしかに『センティメンタル~』のほうの二人連れ、ヒマラヤ山系くんとのとぼけた関係っぽいなあ。いや、読んだのすごく昔なので記憶が怪しいですが。

 百閒先生もロレンス・スターンの本歌取りみたいなことなんかしちゃったりして、文学者みたいですね! 文学者だよ!


 終わります。

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