第2話 音吐朗朗怪奇、如月駅を追って。
YouTubeチャンネル登録者数十万人超、動画総再生回数一億二千越え、これまでに朗読した怪談は三千本以上、不眠症の方も安らげる叫ばない朗読者、それが今の俺、怪談朗読者136だ。
思えばここまで来るのに色々な事があった。
朗読という世界に飛び込まなければ、およそ知ることの出来なかった貴重な体験の数々。
歳を重ね、それらが糧となり、今の俺を創り上げていった。
が、それに伴い時代も変わる。
以前は朗読イベント等であちこち遠征できていたものが、この御時世だ。
世間は流行病のせいで混沌とした有様。
いつ明けるとも分からない夜明けを待ち続け、日々悶々としながら生きて行く。
だからこそなのかもしれないが、こんな時こそ皆に朗読を届けたい。
暗い日常ににちょっとした変化を、刺激を、少しでも届けられるなら、こんなに嬉しい事はない。
そしてそれを共有する仲間が、俺には案外近くに居た。
同じく、朗読で少しでも楽しい日々を彩ってあげたいと、心を同じくする者。
朗読者だ。
そんな仲間と呼べる人達と、俺は今とある企画イベントを行っていた。
卓上時計にふと目をやる。
時刻は午後二十二時前。
もうすぐ約束の時間だ。
視界に映る無数の灯り。
眼下に広がる街並みを、淡く穏やかに照らす月が、今夜はやけに大きく見える。
窓際に置いた本のページが、風に吹かれパラパラと捲れていく。
春先の夜風はやはり少し肌寒い。
俺は窓を閉め部屋の椅子に腰掛けた。
テーブルの缶コーヒーを口に運びながらPCを立ち上げる。
ヘッドホンとマイク調整を済まし、声の調子を整えた時、
──トゥートゥー
ヘッドホンから呼び掛けてくるコール音が何度か鳴った。
マウスを操作し着信許可をクリックする。
「今晩は136さん」
穏やかでたゆたゆ声、それでいて丁寧な口調の持ち主、ごまだんごさんだ。
「どうもで~す136さん」
ごまさんに続き聞こえてきた声の持ち主はりっきぃさん。
淡々とした口調の中にも強い真のある声。
二人共YouTubeの怪談朗読者で、怪談朗読の大きな大会出場経験もある実力者達だ。
二人とは以前にイベントや配信コラボ等で交流があり、今回も久々に三夜連続の生配信コラボを三人でやっている最中だ。
今夜はその最終日、俺の朗読日となっている。
が、実は今、その事で一つ問題が発生していた。
「あのさ、二人とも……?」
「ん?どうしました?」
りっきぃさんが何事かと聞き返してくる。
「実はその、ちょっと困った事があってね……」
「何かあったんですか?」
心配そうなごまさんの声に、俺は二人が目の前にいる訳でもないのに、一人部屋の中で頷いてみせた。
「実はね……」
重たい口火を切り、俺は二人に悩みの種である出来事について語り始めた。
話は一ヶ月ほど前に遡る。
それは、定期的に俺がやっている生配信終了後の出来事だった。
彼岸さんから俺宛にメッセージが届いていた。
何だろうと首を傾げ読んでみると、そこには前々回朗読したとある怪談話についての事が書かれていた。
確か話の内容はこうだった。
とある心霊スポットに赴いた三人の若者が、そこで想像を絶する体験をするという話。
しかもその場所は禁忌とされ、訪れた者に災厄をもたらすというもの。
内容だけ見るとよく聞く類のものだが、問題はその後に書かれている彼岸さんのメッセージだった。
──ニュースで見かけたのですが、この話に類似する
場所で、肝試しに訪れた男性が事故にあったそう
です。
偶然……ですよね?
偶然……だろう。
肝試しに行くような廃墟などは、特に危険が伴う場所が多い。
老朽化に伴う倒壊の恐れ。人気の少ない場所ゆえに事件に巻き込まれる可能性。
事故にあったというのも、確率的に不思議な話ではないだろう。
だが、俺には一点だけこの話について気になる事があった。
それは、前々回この話を読んだ時に感じだ事だ。
話の内容はよくあるものだとしても、問題はそこではなく、場所の説明と災厄に起因する内容だ。
詳し過ぎるのだ。
場所の説明から災厄に見舞われる原因までもが、事細かに説明書きされていた。
まるで真似してくれと言わんばかりに。
この様な事は、以前にも何度かあった。
だが実際にこうやってそれが事件として扱われていたと知ったのは、これが初めてだ。
結局その後、俺は彼岸さんには偶然だといいですねと、安直な返事だけを返した。
だが、この話はそこで終わらなかった。
後日、彼岸さんから改めてメッセージが届いたのだ。
他にも以前俺が読んだ事のある怪談と、それに類似した事故が実際に起こっていたと。
彼岸さんは、あれから俺が読んだ朗読の中で、似た様な内容と、それに関連する事故が起きていないかなどを独自に調べていたのだ。
そしてある情報を掴んだ事を、メッセージに添えていた。
事件と絡みのあった幾つかの怪談。
そのどれもが、共通して同じ作者だったのだ。
ここまでの事をごまさんとりっきぃさんの二人に話終えると、俺は一息つき飲みかけのコーヒーを口に運んだ。
「そ、それって結構……」
「エグい……よね……」
ごまさんの言葉に続けて、りっきぃさんがそう付け加える。
「僕も似た様な話はあったけど、実際に事件絡みになってたりとかしてるのかな……?」
「ん~どうだろう。ごまさんは禁忌系の話とかあんまりしないよね?」
「どうかな~意識的に避けてるかもしれないね。りっきぃさんは?」
「僕もそうだな~好んで話すって事はあまりないかもしれない。嫌いって訳でもないんだけどさ」
「そうだね。禁忌系の話の中にも、ちゃんと面白いものもあるし、そういえば136さんは?136さんはそういう禁忌系のはな……あれ?」
「136さん?」
二人の声がヘッドホン越しに流れてくる。
「ん?」
「あ……136さん、ひょっとして今……何か食べてる?」
りっきぃさんが鋭い考察力を駆使して質問をなげかけてきた。
「えっ?僕達に相談しといて?」
ごまさんの呆れるような声。
ヘッドホンから流れる二人の声が抗議の声色に変わった。
「あ……ごくん。んっんんっ……いや、これは大事な事を思案するための糖分補給というか……」
「因みに何食べてたんですか?」
不貞腐れたようにごまさんが聞いてくる。
「マリトッツォ」
「マリ……」
「トッツォ……」
ごまさんの問に即答すると、二人か更に呆れた声で返してきた。
「と、とりあえず話を戻しますけど、それと今回の問題っていうのは?」
落ち着き払いつつ、りっきぃさんが聞いてくる。
「それなんだけど……実は今回読む話を募集したら、その件の作者からまた届いてたんだよ、怪談が」
「げっ……」
「マジですか……で、136さんはそれを今日読むおつもりなんですか?」
りっきぃさんの問に、俺は一瞬押し黙りつつも、
「ああ」
と答えた。
「一応聞いておきますけど、なぜ、それをあえて読もうと?」
確かに、ごまさんの言う事は最もだ。
わざわざ変なリスクをおう事はない。
ならなぜこの話をあえて選んだのか。
それは、至極簡単な事だ。
「何か……負けた気分がするだろ」
「はあ?」
「はあ?」
「二人とも相変わらず仲良いね、綺麗にハモっちゃって」
「あのね~136さん」
またまた呆れるように言うりっきぃさん。
まあそうなるよな。
「くく……あはははっ!」
ごまさんの唐突な笑い声がヘッドホンから響いた。
「ごまさん?」
りっきぃさんが不思議そうな声を挙げる。
「いや、ごめんごめん、何かその、136さんらしいなって、くく……」
「ふふ、まあそうだね。確かに、136さんらしいかも」
「ん?」
なんだ?俺らしい?
まあいい。とにかくこれで二人の了承は得た。
後は本番に備えるだけだ。
「じゃ、取り敢えず準備しますか。ごまさんもいい?」
「うん。大丈夫」
「あ、ちょっと待って」
「ん?どうしました136さん?」
りっきぃさんの問いかけに俺は一度咳払いしつつ答えた。
「もう一個、食べていい?」
「マリトッツォ……?」
「うん」
聞き返すごまさんに俺が頷き返すと、りっきぃさんが深いため息をついた。
「はあ……好きにしてください……」
程なくして準備を終えた俺達は、配信を開始した。
続々と入場者数がカウントされていく。
最終日というのもあって視聴者数はかなりのもの。
まずは前置き、りっきぃさんとごまさんが、息のあったトークで場を盛り立てていく。
そして俺への開始の合図が入り、一気に場には緊張が走った。
さてと……始めるか。
「如月駅を追って……これは、俺が大学時代に体験した話。ある日、友人がこんな話をしだした。「如月駅って都市伝説知ってるか?」如月駅と言えば、当時オカルト板で有名になった話だ。元々怪談好きな俺が知らないわけがない。だが、続く友人の言葉に、俺は一気に興味を惹かれた。「如月駅に行けるかもしれない……」」
件の作者から送られてきた話、それはあの有名な如月駅に纏わる怪談話だった。
話の内容としてはこんな感じだ。
主人公の友人は、とある事がきっかけで如月駅に行く情報を掴む。
四国参りを知っているだろうか?
四国にある空海ゆかりの仏教寺院八十八ヶ所を巡礼する事を言う。
では次に、これを元にした死国という映画を知っているだろうか?
死人の死に国と書いて死国。
娘の死を悲しんだ母親が、死者の歳の数だけ四国を廻る。しかも四国参りを正規の手順で回るのではなく、逆打ちという方法で、正規の手順の反対から順に巡礼していくのだ。
そしてその巡礼を終えた時、死者を甦らせる事が出来るという内容である。
話を戻す。
この怪談の主人公の友人は、とある電車の線路図が、この四国巡礼の道順と類似しているのに気が付く。
つまり、これを逆打ちの手順で、決められた時間決められた駅から出発すると、最後に如月駅へと行ける道が開けると言うのだ。
もちろんただ辿るだけでは行けない。
これに付随して電車に乗った後にも、とある儀式をしなければならない。
塩水を口に含み、目的の駅に辿り着くまで目を瞑っていなくてはならないのだ。
やがて如月駅に近付くと、耳元で知らない声で呼び掛けられる。
「ようこそ……次で降りなさい」
その一言を俺がマイクに発した瞬間、動画のコメント欄に悲鳴の書き込みが殺到した。
次々とコメントが流されてゆく。
が、そのコメントの中に、一つだけ異様なコメントがあったのを、俺は見逃さなかった。
『なぜ、ちゃんと教えてあげないの……?』
今のは?
気になる。だがここで話を中断する訳にはいかない。
俺は余計な事は考えまいと頭の中を振り払うように首を左右に振った。
そして再び話を続ける。
「「うわあ!」隣にいた友人から悲鳴が上がった。思わず閉じていた目を開きそうになるが、ここまで来て無駄にする訳にはいかないと思った俺は、何とか必死に目は閉じたまま友人の安否を確認した。「おい何かあったのか!?」友人からの返答はない。いや、ひょっとしてからかっている……のか?こいつはたまに手の込んだ盛大なイタズラを仕掛けてくる時がある。おそらくビックリした俺が目を開けてしまうのを狙っているのだろう。という事はさっきの耳元で聞こえた不明の声も、こいつの仕込みか……?確か付き合っている彼女もいたはずだ。だいたいこの話自体が最初から大袈裟すぎて、正直今一信じきれない部分が多かった。ならばなおのこと、今は目を開ける訳にはいかない。駅に着いたらドッキリでした~みたいな動画でも撮ってSNSにでもあげるつもりか……?そんな事を頭の中で必死に考えていると──次は~……。車内に車掌のアナウンスが響く。始めに電車に乗った駅名だ。ようやく着いた。重々しい自動ドアが開く音がする。ここでようやく俺は目を開いた。光が一気に差し込み、目の中がチカチカする。クラクラする体を何とか起こし友人に目を向ける。が……居ない?隣にいたはずの友人の姿がない。どういう事だ。しかし直ぐに、──間もなく扉が閉まります。またも車掌のアナウンスが矢継ぎ早に流れる。俺は慌ててふらつく足で何とか自動ドアをすり抜けて駅のホームに降り立った。会社帰りのスーツ姿のサラリーマン達が、くたびれた様子でぞろぞろと改札口へ向かっていく。辺りは真っ暗で、駅のホームだけが人工的な明かりに包まれていた。どうやら今のが最終だったようだ。それよりアイツは?まだ光になれない視界で辺りを見渡すがどこにも姿を確認できない。俺は急いでスマホを取り出し友人の名前で通話を呼び掛けた」
この後、この話は一気に終わりを迎えた。
結局友人は主人公の着信には出ないまま、翌日も、そしてそれからも永遠に出る事はなく。
友人の家族により捜索願いが出される事となった。
主人公は最後にこう語っている。
『ようこそ、次の駅で降りなさい』
あの言葉は、ひよっとして警告ではなかったのでは?と。
あの言葉通り次の駅で降りていれば無事に降りられる。
つまり、『ようこそ、』とは、あの時既に電車は如月駅に到着していた事をさしていたのでは……?
「今となっては、それを確かめる術すら、今の俺にはない」
話は以上で締めくくられている。
ご丁寧に作者の誘導説明付きか。
つまり、この話を聞いてこれを試す時は、声を掛けられたらその駅で降りろって事を説明したいのだろう。
BGMがフェイドアウトし、やがて一時の静寂、そして今度は落ち着いたメロディと共に、長時間の朗読を労う二人の声がヘッドホンから聞こえてきた。
「いやあ~136さんお疲れ様です」
「お疲れ様です136さん。どうですかごまさん?」
「えっ?いやあやっぱり圧巻でしたよ。聞いてて引き込まれましたもん、それに……」
二人の感想と共に、コメント欄にも活気が溢れていく。
目で追うがさっきの異様なコメントは見受けられない。
やがて感想も終わり、今度は俺も交えて今後どうするか等の近況を互いに話し合い、機会があればまたやりたいという三人の願いの元に、今回のコラボ配信は幕を閉じた。
「本当にお疲れ様でした136さん」
「りっきぃさんも、本当にお疲れ様。本当に今回も面白かったよ。是非また次、」
俺がそう言いかけた時だった。
「ちょっ二人とも……ゆ、YouTubeの放送画面……」
突然、ごまさんから怪訝そうな声が漏れた。
閉じたはずのYouTubeの放送画面が、目の前のディスプレイにハッキリと映し出されている。
何だ?放送を再開した覚えはない。
これは……一体?
押し黙る二人。
どうやら三人とも同じ状況に遭遇しているようだ。
来場者数は一人。
そこから人が増える気配もない。
しばらくの間流れる沈黙、やがて、その沈黙を破るようにして、コメント欄が動きを見せた。
K:なぜ、なぜ全てを……伝えないの?
コメント欄に、K、アルファベット一文字のコメント投稿者が現れた。
この人物こそ、今回朗読した原作者の名前だ。
「バグって……」
「いや、これはバグとかそんなもんじゃない、明らかに異状でしょ……」
ごまさんの言葉を制するようにして、りっきぃさんが苦々しく呟く。
その間にも、コメントが更に動きを見せた。
K:貴方は朗読者……全てを伝える義務がある。
真実を伝える……義務が……。
義務?
K:貴方は物語の全貌を、余す事無く伝えてくれる、そう信じておりました。
なのになぜ……なぜ事実を捻じ曲げる行為を?
「136さん、これどういう事ですか……?」
ごまさんの問い掛けに、俺は静かに答えた。
「話を少し弄った。アドリブで……」
「えっ?」
りっきぃさんが驚きの声を挙げた。
普段なら決してやらない。
二人が驚くのも無理もないだろう。
窓際に置いた本が、パラパラと捲れだす。
窓は閉まっている。
エアコンも放送中は切ったままだ。
Kの言う通りだ。
俺は朗読中、幾つか話を改変した。
事細かに書かれた駅名、呪いの儀式。
それらの部分を違う言葉に差し替えたのだ。
K:貴方は……朗読者ではないのですか?
その言葉に、俺の怒りは限界を通り越していた。
「ふざけるな……」
いつもと変わらぬ口調。
だが言葉の端々に、俺はありったけの怒りをぶつけていた。
「義務?なんだそれは?朗読者はありのままだけを伝えればいいってものじゃない。確かに、物事を一語一句正確に伝える事は大切だ。しかし、それに固執する余り大事な事を忘れていちゃ本末転倒だ」
二人は押し黙ったまま俺の話を聞いている。
いや、自分が言いたい事を我慢し、全てを俺に託しているようにも思える。
奴に、Kに言ってやれ、と……。
「俺達は聴きに来てくれた人達に、怪談朗読が好きな人達に、楽しんで、そしてまたここへ来てもらうためにやっているんだ。配信という可能性に満ちた空間で、色々なものを共有し、またいつか一緒にこの場所へ帰るために。朗読者とは、ただ読み上げるだけじゃない。培った経験を糧とし、何百、何千と読んできた話で得た技術を使い、原作を大切にし、何を一番に伝えるか、どこで怖がらせるか、そう言った巧みな思考を巡らせて朗読する」
K:だからこそ真実を伝えるべきでは……?
「違う、アンタは何を伝えたい?読む者に何を届けたい?それがこの話からは一切伝わらなかった。アンタはただこの話を広め、読む者に一抹の不安と、混沌を招きたいだけだろう。俺達朗読者、いや、全ての朗読者達を……舐めるな」
「うん……」
「同意……」
二人が静かに、そして力強く頷くのが分かる。
パラパラと捲れる本のページがパタリと閉じた。
K:また……いつか。
その言葉がコメント欄に流れたと同時に、YouTubeの配信画面が勝手に落ちた。
「終わったんですか……ね?」
「多分……ね?」
ごまさんの不安げな声に、りっきぃさんが安堵の声で返事を返す。
「すまん、二人とも、俺だけ勝手に喋ってしまって……その、二人を巻き込む形になってしまった。本当にすまんね……」
「気にしないでくださいよ。ふふ、まあにわかには信じ難い体験ではありましたけど、ある意味貴重な体験なのかも」
ごまさんの穏やかな声、いつものごまさんだ。
「確かに……しばらくはお腹いっぱいですけどね、はは」
砕けるようにして笑うりっきぃさんの声も、いつもの調子を取り戻したようだ。
その後、俺達は他愛もない話をしながら、今夜の企画は幕を閉じたのだった。
それから数日が立った後、彼岸さんから一通のメッセージが届いた。
内容はこうだ。
Kから新しい怪談の投稿が届いたのだという。
しかもその中身は、全て白紙だったらしい。
本人に確認をとろうとしたが、いくら宛先に返信を返しても、返事は未だにないとの事。
白紙。
それが何を意味するのかは俺には分からない。
いや、もしかしてじゃあこれで何か話を紡いでみろという、Kからの嫌味なのかもしれない。
答えは正に闇の中。
けれど、それでも俺は読み続けるだけだ。
これからも、この先もずっと。
朗読者として……。
音吐朗朗怪奇(おんとろうろうかいき) コオリノ @koorino
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