メゾって難しいのよ!

 私は、アルトが好きだ。胸部を響かせて、鳴らす「ファ」「ミ」が好きだ。 ただ、やり過ぎると気持ち悪くなる。

 ソプラノは、気持ち良くメロディを歌い上げる。美しく、遠くへ声を飛ばすのは、さぞ楽しかろう。高い音は響く。だからそんなに出さなくてもいい。ほかのパートを聞いてほしいのだが、聞いちゃいない。メゾ・アルトからすれば「独りよがりで、自己中。もっと周りの音を聞いて、抑えろよ!」と不満爆発。顧問にも注意されるが、変化がなかなか見られない。

 アルトは、低いゆえ出しても聞こえづらい。「もっと出せ」と顧問から声を荒げられても、少数精鋭はキツい。ソプラノとは真逆の問題が発生する。

 そして、割と放置されるのが、メゾ。高音と低音に挟まれ、微妙なラインを歌ってるのだが《歌っ……てるよな?》と謎の不安に襲われる。移動する音域は広く、《いや、なんで?》と思わずにはいられない音の飛び具合。重心は上ずり、頼りない細い声が出る…。難しい+聞こえにくいからか、3部(ソプラノ・メゾ・アルト)の中で、1番人数が多かった。単にメゾの音域が出る人間が多かったから、ではないと思う。

 短期間ではあったが、メゾにパート移動し、一番戸惑ったのが人間関係だった。アルトやソプラノは、限られた人間がいき、そのパートに選ばれた者としての誇り。団結力が強く、自然と仲が良くなるところがあった。

 メゾの最大の武器は、メンバーの多さだと思う。だが、それが良いように作用するには時間がかかる。人が多いと、あっちゃこっちゃ意見も音楽も飛んでいってしまう。まとまりが一番欲しいのだが、グループは複数に分かれ、揉め、パート練習ですら団結どころではない。全体で合わせた時に、消滅か、散り散りになりやすい。それがメゾだった。

 そんな状態なので、悲しいことにまず注意を受けるレベルにすら達することができず、後でメゾだけ特訓させられるということが多々起きた。

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アルト・4パ @8738bi

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