今更と嘆かないで、君が描いていた未来が欠けてしまう前に
- ★★★ Excellent!!!
カクヨム甲子園2022 ショートストーリー部門
奨励賞おめでとうございます。
色々考えさせられる。
素直に上手い。
作品全体から、様々な匂いを感じる。
彼女はどうして、彼を支配しようと行動したのか。
無秩序な世界の彼の絵をみたのなら、「無抵抗に享受すべき」と思っていたのだから受け入れなければならなかったはず。
そうしなかったのは、ペトリコールの言葉を知って失望していたから。
彼は、失望する前のかつての彼女だった。
だから、嫉妬したのだと考える。
彼にした行いは、彼女自身がされたことだったと推測する。
中学三年生のときに「ペトリコール」を知ったときの体験が、まさにそうだ。
メルヘンな考えをしていた主人公は、他人によって考えを変えさせられた経験から、同じように彼にひどいことをしてしまったのだ。
悔いているなら絵画教室に行って彼の連絡先を教えてもらい、謝りに行けばいい。
許されることはなくとも、けじめを付けなければ、ペトリコールの匂いを嗅ぐ度に思い出し、悔いるだろう。