第2話 行方不明
乾が来なくなってから1週間がすぎた。
「龍馬が“消えろ”なんて言うから本当に消えちゃったんじゃない?」
「そんなわけねぇだろ。あほ」
といつものように加尾と掛け合いをして家に帰ると母親がテレビを見ながら、どうしたのかしらねぇ、と呟いていた。テレビには
『○○県、1週間で行方不明者17名』
と右上に表示されていて中央に行方不明者の名前が列挙されていた。まさかと思い、名簿をおっていくと
「嘘だろ、、」
乾 象二郎 ― 乾の名がそこにあった。
次の日の学校は乾の話でもちきりだった。担任が
「昨日の報道でみんな驚いていると思うが、必要以上に騒ぎ立てないように」
と言っていたがそんな言葉に意味はない。自分探しの旅に出た、とか、通り魔に殺された、とか、テロリストになった、とか色んな憶測が飛び交った。
それから3日経つとついにクラスメイト達も行方不明となり始めた。みんなが本気で心配しだす。加尾も
「佐那ちゃん達どうしたのかな?」
と心配そうにしている。俺は
「そのうち見つかるよ。」
無責任にそう言って適当にあしらってしまった。
特効薬 小室 進一 @Edgar_Ignatius_Christie
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