冒険者パーティーを追放されて追放されて追放された魔法使いは2回目の追放の時に自分は少しだけ無能かもと思ったが3回目の追放で『お前は無能だ』と無能のレッテルを貼られ4回目に入ろうとしたパーティーであなた

山上コウ

第1話 1回目の追放

「お前は、いらねー。」


そう言われて今日僕は追放された。


僕が冒険者パーティーを追い出された理由は、リーダーによるとこういう事らしい。


「お前は覚えてる魔法は一流だ!だがお前がそれをダメにしている。分かるか?」


神妙な面持ちで僕に問いかけてきた。


「今日クエストに行ったよな?俺たち5人でファンキーゴリラの討伐に行った。」


リーダーは今日行ったクエストの話をし始める。


「ファンキーゴリラは群れで行動するため、戦闘になったらまず囲んでくる。それはお前でも分かるよな?」


冒険者としては当然の知識をリーダーは語り出す。


「ここで質問だ。お前は何故あの囲まれた状況で全体攻撃魔法ではなく単体攻撃魔法を唱えたんだ?」


リーダーは僕にそう問いかけてきた。

その問いに応えるように僕は話だした。


「僕は全体攻撃魔法で減るMPより、単体攻撃魔法で減るMPの方が少ないと思ったから単体攻撃魔法を使いました。」


僕は懸命に説明した。


するとリーダーは呆れた顔をし、僕に問いかける。


「お前は全体攻撃魔法で減るMPより単体攻撃魔法で減るMPの方が少ないと言ったな?」


リーダーの問いに僕は自信満々の顔で返事をした。


「ならお前はいらねー。」


リーダーが呆れ顔でそう言い、僕は「何故ですか」と問いただす。


「何故か?そんなの簡単だろう。」


リーダーは紙を出し説明する。


「いいか、あの時囲こんでいたファンキーゴリラは20体だ。全体攻撃魔法の消費MPは100。単体攻撃魔法の消費MPが15だ。計算すれば全体攻撃魔法を使えば単体攻撃魔法より減るMPの量は少ない。そうだろう?」


リーダーは馬鹿でも分かるよう僕に丁寧に説明した。


僕は言い返す言葉が出なかった。


「というわけでお前はクビ明日から来なくていいよー。」


と手を振り酒場から出て行った。


僕は泣き崩れた。


冒険者を初めた時にスカウトされたパーティーで、良い扱いをしてもらいパーティーのみんなで切磋琢磨して成長し、時には楽しみ、喧嘩して、仲直りして、あとなんかめちゃくちゃやってたパーティーだったのに。


僕はこんなにもこのパーティーを愛していたのに。

クビになってしまった。


酒場で1時間位泣き、泣きやんだ時。


「泣いてなんかいられない!次のパーティー探さなきゃ!」


僕は立ち直り新たなパーティーを探すことにした。


今日僕は追放された。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

冒険者パーティーを追放されて追放されて追放された魔法使いは2回目の追放の時に自分は少しだけ無能かもと思ったが3回目の追放で『お前は無能だ』と無能のレッテルを貼られ4回目に入ろうとしたパーティーであなた 山上コウ @ronume

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ