空間転移ドアが発明されたのですが

共同救済

デジタル救済サービス e-メシア

このサービスは15歳以上の高校生から加入が認められています。

入学前検査の情報はe-メシア内に保管され、その後5年ごとに検査を行いアップデートが行われます。

加入された人物の連続性は保証されています。

希望される方は、重大な損失があった後にe-メシアからの復元保障が受けられます。

詳しくは以下のページで……

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「ちぃーっす。」

「お前そんなキャラじゃなかっただろ」

「ほら、救済されたからさ」

「やめろｗｗｗ」

春の風物詩、救済ジョークは誰が教えるでもなく繰り広がる。

「これさあ、子供の時から疑問に思ってたんだけどあんまり救済されてなくない？」

「加入は任意、更新は5年ごと、それまでの間に本体に何かあったらデータベースから復元……。うん。それっぽくはなるだろうけど本人ではないよなあ。」

「あ、そうだ。2年くらい周りと内緒で付き合ってたカップルが居たとしてさ、片方の友好関係は加入者分だけ復元されてもう片方が加入してなかったせいで本人は全然思い出せないけど相手は覚えたまんまってどうよ」

「趣味が出てるぞ」

「うん趣味。実例無いのかな。」

「あるだろうしドラマ向けな設定ではあるけど……あれかな。」

「製作許可か」

「だな」

「こんな令和みたいなウェブサイト作るくらいだもんな。こういうデザインだと思えば好きっちゃ好きだけどなあ」

「制度が制度だけに余計に怖いんだよなあ。」

「……これ以上はやめておいた方が良さそうな気がしてきた。」

「俺も。」

誰もが自然とそうするが、誰もがいつしかやらなくなる。

人間はいつでも社会の生き物だ。