休憩時間
「ねぇ、ヨーグルトによくソラヤ株とか書いてるじゃんね?あれってその乳酸菌の持ち主の名前がついてるらしいよ?つまり・・・」
「やめなさい」
「せめて食べ終わってから言ってくれる?」
「ゴメンって」
「それを言い出したら大体の物食べられなくなるし。この給食とか、時期的に再利用食材っぽいじゃない?」
「や、め、な、さ、い!」
「食べてない時でもそれはやめい!」
「仕返しがキツすぎるよ~。分かるけどね?ぶっちゃけアタシも
「護宮かわいそう。わかるけど。」
「いやホントやめなさいって。話題がギリギリすぎよそれ。第一あなた達もちょっと油断したら再利用コースに進んじゃうじゃないの。」
「マジそれ!でも受験終わったばっかなんだし今言わないでよ(笑)」
「あたしも来年進学できるか不安だわー.....。せめて凄豪くんに食べられたい!」
「凄豪くんの給食コースならアリ!去年の漢字が"抑"だったんだっけ?今年のカリキュラムとか絶対キツいよね。」
「諦めないの。落ちたらコースは選べないんだから、ちょっとは頑張りなさいよね」
「無理無理!進学テストすらギリギリだったもん。」
「婚姻権まで取れたら凄豪くんともワンチャンあるのにね。なーこちゃん、代わりに頑張って!」
「なー子、託したぞ!」
「本当にやめなさいって.....」
穏やかな風が吹く教室。よくあるガールズトークをばんやり聞いている、冴えない男子生徒達の居場所は隅の方にある。
「...女子の会話って時々すっげぇ生々しいよな。」
「な。」
「護宮の奴も報われんよなあ。マジでやるとは、いやちょっと思ってたんだよなあ。」
「進学テスト最下位って事はマジでやったんだろうな。」
「あいつの事だし記述問題はちゃんと解いてサービス問題で間違えたりしたんだろうなあ。」
「アルファベットをわざわざギリシャ文字で記述するとかな。」
「採点評価システムにも穴はあるんだよな.....とか言ってたけど、ギャグに身体張りすぎなんだよ」
「あいつの場合半分は本気だったろう」
「御宅だっけ?あいつは受かってたらしいぞ」
「護宮と仲良かったもんな。他に友達は居なさそうだが。」
「どの道出来る奴ではあるまい。来年のテストは通らんだろ」
「じゃあ一年ぼっちで過ごしてその後再利用コース?護宮のやつ、逆に酷な事しちゃってるよな。」
「皮肉だな。優秀なんだから進学コースに行けば変えられる物もあっただろうに。」
「変な所で馬鹿だよな。まあせめて、俺達も選挙権くらいは取ってちょっとでもマシな世の中にしないとな......」
「再利用までの心配はしなくていいが、微妙に希望も無いな俺達は.....」
華の学校生活はいつも希望と不安が入り混じるものだ。
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