現代の高校生、真野勝悟は、勉強にスポーツにと才を示したきたが、それでも満たされない日々を過ごしていた。
その勝悟が次元漂流をしてしまい、その先が――戦国時代の甲斐の国であり、そしてその甲斐を支配する武田家は、戦国史上、最も熾烈な第四次川中島合戦を終えた直後にあった。
「後世」を、そしてその「後世」の考察を知る勝悟は、武田家に仕え、その命運を変えるべく奮闘する。
その戦国時代は、実はわれわれの知る戦国時代ではない「戦国時代」であったが、勝悟の奮闘は、現代において満たされたなかった勝悟自身の心を燃え立たせ、武田家の「伏龍」としての目覚めをもたらす――
いわゆる転生、転移ものの武将としての「立身出世」のドラマだけでなく、人との関わり――男女の関係にも、ある意味生々しいくらいに切り込んで描いていく様は、まさに人間ドラマでもある、と言えると思います。
ぜひ、ご一読を。