第11話 (最終話)Infinity ∞
君が欲しい
いつまでもあの日を忘れられない
気持ち悪い奴なんだ
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いつ渡すか分からない日に備えて
指輪を買うために
角谷は高校入学をしてすぐ
バイトをした
家の近くの
おしゃれなお店が立ち並んだ一角にある
パティスリーで人気のカフェを兼ねているお店
美香子と角谷は昔から親戚内で
仲がいい兄妹のように知られていた
特に美香子は面倒見が良かった
角谷が親と離れて一人で生活をしていることを
彼の両親から美香子の親のツテで
様子を見てほしいとお願いされた
彼がバイトをしてるカフェに何度か顔を出す
「仕事中だからそのまま私の言葉を聞いていて欲しいの」
角谷は無言でテーブルの食器を片付け
「随分このカフェ女の子が増えたのね」
店内の女性の笑い声が飛び交う
「そんなに必死に働いているの?」
再び角谷の手元をみる
「幸せそうで安心したわ、誠ちゃん去年まで死にそうな顔していたから…ね?」
コーヒーカップにクリームを入れながらスプーンでかき混ぜる
「苦しかったら一緒に駆け落ちして心中してもいいのよ」
美香子は虚な顔をして窓越しの空を眺めた
「俺には身を捧げるほどの想いを寄せている夢がある」
角谷のあまりにも愛くるしい顔に美香子は視線を合わせられなかった
+++++++++++++++++
それから半年以上が過ぎ
誠は地元で公務員試験に合格し、
来年から晴れて社会人として道を切り開いた
美羽は角谷に強く握られた手を
愛おしく感じている
美羽の家の門を開け、
家のチャイムを鳴らす
角谷は慣れていないスーツを着て複雑な顔をしている
「誠、首筋に汗が、、」
美羽はバッグからハンカチを出す
彼の首筋の汗を拭う
角谷は思わず美羽の手首を掴んだ
ハンカチに象られた羅針盤のマーク
初めて出会った時に使ったハンカチと同じ柄
緊張をしている角谷の視線を
食いいるように見つめた
彼が校門で見せていた同じ顔の表情
モドカシイ気持ちに美羽は襲われる
美羽は心の中で彼に問いかけた
ハンカチを返しに来た時から
ずっと熱い視線投げていたでしょ?
気が付かないと思っていたの?
距離があるから気が付かない振りをしていただけ
(END)
Love Again 〜溺愛王子という恋の羅針盤〜 ichi @ichi2252
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