第10話 Lave Again
角谷の母の姿がなくなるまで
美羽は見送る
姿が消えても美羽の後ろ姿は
微動もしない
「美羽…」
角谷は美羽を抱きしめた
美羽は静かに
涙を流していた
寂しいから泣いているわけではない
本能的に涙が出ていた
「部屋に入ろう」
角谷は美羽を包み込むように肩を抱くと一緒に部屋に入る
玄関先で美羽を後ろからもう一度抱きしめた
「美羽、好きだ…気が狂うほど…如何しようも無いほど好き」
角谷も涙が流れる
震えた腕は必死に美羽を抱きしめていた
「誠、愛してる、離れるなんて
そんな…全部ウソだって言ってください
、、お願い」
心の底からの声が簡単に言葉にしたことに美羽は驚く
美羽に初めて見せる弱々しい彼が愛おしい
角谷の心に触れたら
戻れない
隠せないほど
八切れそうなくらい苦しい
ただ彼の言葉だけ信じていたい
角谷は美羽の体を持ち上げ
お姫様抱っこをして
美羽をベットがある部屋に
寝かせる
「嫌だったら…拒んで欲しい」
角谷は美羽に優しくキスをする
ブラウスのボタンをゆっくり外す
美羽は恥ずかしそうにはしていたが拒むことはなかった
角谷の言葉だけじゃない答えが欲しかった
ブラを外すと角谷は美羽の首筋にキスをする
「綺麗…美羽」
美羽の涙で濡れた顔を手で優しく拭う
全て服を脱ぎ終わると
角谷の緊張している手を美羽の手で重ねた
二人は初めて一つになる
腕枕をしながら
美羽は寝息をたてているところを
見ながら昔を思い出す
美羽と再び同じ高校で出会ったとき
彼女の瞳を見つめることが出来なかった
君はまさに天使のように
儚げだった
何度出会おうが特別な存在だと認識される
俺は君の居場所じゃないかもしれない
でも君が欲しい
いつまでもあの日を忘れられない
気持ち悪い奴なんだ
たとえそばにいなくても知ってほしい
+++++++++++++++++
美羽が目覚めると
角谷がずっと見つめていた
「可愛い…」
美羽のおでこにキスをする
異変に気がついた美羽は
繋いでいた左手を見る
薬指に小さな指輪光っていた
「学校卒業したら結婚してほしい…」
角谷は真剣な眼差しで美羽を見つめる
美羽の頬から涙が溢れる
二人は抱き合いながら
お互いの温もりを確かめ合った
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