私が巨大ロボットから逃げた理由

赤木フランカ(旧・赤木律夫)

私が巨大ロボットから逃げた理由

 私は小説を書く以外にも、プラモデルを作るという趣味を持っている。ガンプラはもちろんのこと、ちょっとマイナーなコトブキヤのロボットプラモデルシリーズ・フレームアームズも何体か作ったことがある。


 ヒト型巨大ロボットはロマンである。小説を書くようになったのも、ガンダムシリーズの二次創作がきっかけだ。オリジナルの巨大ロボットものも書こうとした時期もある。だが、今は全く書くことができない。


 その理由はただ一つ。ヒト型である理由が思いつかないからだ。


 数多のロボットアニメがリアル思考を重視するあまりこの壁にぶち当たり、それをなんとか打破して放送・プラモデルの商品化にこぎつけてきた。だが、私はそれができなかった。


 はっきり言ってしまえば、ヒト型であることに合理性なんて求めてはいけない。ヒト型である理由なんていい加減なものでいいのだ。だが、私は非合理的でもヒト型である理由に物語上の意味を持たせようとした。だが、面白い設定が思いつかなかった。


 また、現代と同じように戦闘機や戦車、艦船などが存在する世界観を設定した場合、ヒト型ロボットの戦術的な立ち位置が解らなかった。そもそも、ヒト型ロボットがどうやって戦うのか解らない。いまだかつて、そんなものは存在しなかったから、想像するしかない。


 やはり、ロボットが活躍するには、既存の戦術をひっくり返す必要がある。しかし、私の貧相な想像力では、ついにそれを考えつくことが出来なかった。


 そして何より、私は戦闘機にハマってしまった。変形もしなければ、ビームも撃てないが、戦闘機のカッコよさに気付いてしまった。Su-35とかF-22とか、第4~5世代のジェット戦闘機の沼にハマってしまった。


 ヒト型と戦闘機はすこぶる相性が悪い。機構が複雑になるので変形というのはやりたくなかったし、軽量化のために装甲は削らざるを得ず、格闘戦にも向かない。個人的にヒト型ロボットの醍醐味は取っ組み合いだと思っているので、空戦タイプのロボットは難しいのだ。変形のために戦闘機とロボット、どちらかのプロポーションを犠牲にするのも嫌だった。


 そんなこんなで、私は巨大ロボットから逃げた。ロボットものは好きだけど、自分ではやらないという立場に落ち着き、ひたすらに戦闘機モノを書き続ける。


 とりあえず、今はそれで良い……



※どうでもいい追伸

 この間『シン・エヴァ』を観ました。卒業どころかむしろ入学しました(笑)

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