俺が恋した。

夜神レフト

第1話 遭遇

 四月最終週の木曜日、榊隼人(さかきはやと)は焦っていた。

 ない……?だと?

 五時間目の体育が終わり、体育館履きから上履きに履き替えようと下駄箱を見るがそこに俺の上履きは見当たらない。というより、見つけられない。一時間前個々の下駄箱にしまったのは覚えているが、どこにしまったかはすっかり忘れてしまった。

 まずい……。まずいぞ…!

 早く見つけないと次のクラスが来てしまう。次のクラスが来れば下駄箱に新たな上履きが入れられて見つけにくくなるだけでなく、しゃべったこともない人と鉢合わせることになってしまう。上履きをしまった場所を忘れ、あたふたする俺の醜態を名も知らない人に晒すことになるのである。

 やばい…。ガチでやばいぞこれ……。

 その時だった。

「——あっ!」

 女の子の声がした。声のしたほうを見るとそこにはちょっと背の低い少女が立っていた。いや身長はだいぶ低い。

「えっと…?」

 俺があたふたした声で言うとその少女は指をさして俺をガン見するだけで、何も言ってこない。

 あ、詰んだなこれ。拡散されるやつやん。上履きなくした馬鹿がいましたーって。あは。あはは。はぁ。

 いやしかし、今はこの少女になりふり構ってられない。上履きを見つけなければならないのだ。だが、時計を見ると授業の始まる五分前でさすがに授業に間に合いそうにないので上履きの捜索は断念し、少女に小さく手を振り俺は体育館の後を去った。

 全力で一階から四階まで階段を駆け上り、我が一年G組の教室までの廊下を全力疾走する。上履きを履かず靴下で走ると割と痛い。そして遠い。マジふざけんな。

 そんなこんなで到着し、六時間目の生物が始まった。そして気づいたら終わりのチャイムが鳴っていた。

 案の定、睡魔との1vs1に負けた俺はあくびをしながらスマホの通知を確認する。


<mia>さっき会いましたね!笑


 ミアからのDMだった。

 三海ミア(みかいみあ)。一年D組ダンス部。この人とはインスタの交換宣伝で繋がって、声優やアニメが好きということでちょくちょくDMをしていた人だった。

 ということはさっき会ったのはミアか。インスタでは相互フォローしてるけど、実際にリアルで会うのは初めてだった。ミアは俺の顔をインスタライブで見ていたため俺のことが分かったのだろう。とはいえ焦っていたためミアの顔は見れていない。ただ、可愛くなくないという雰囲気だけはわかっていた。

 とりあえず、返信だな。


<さかきはやと>どうもwさっき会った人ですか!?ww

<mia>そーです笑 なんか焦ってなかった?笑笑

<さかきはやと>いやぁ上履きなくしちゃってwww

<mia>え!?大丈夫なのー?笑笑

<さかきはやと>放課後探しに行きます👼👼

<mia>頑張ってね笑笑


 ひとまず俺はミアの送ってきた文章にいいね!を付けて、その会話を終わらせた。

 その後俺は体育館棟に行き、上履きを回収したのだった。


 ~あとがき~

 どうも皆さんこんにちわ。夜神レフトです。

 この物語は僕自身に起こった高校生活の内容を書いていくので、だいぶ雑な仕上がりになると思います。

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