ボーイミーツガールと学園ラブコメの両要素を備えた良作です

前半は、ひょんな事から出会った、女性に裏切られて女性不信になった主人公の少年と、親に性的虐待を受けたヒロイン美少女が、迫り来る試練を力を合わせて越え、互いを癒すボーイミーツガール。
しかもヒロインは自分の境遇を隠し、学校でも容姿端麗・成績優秀・品行方正・性格温厚で知られる人気者なのに、主人公は過去の苦い体験から女性不信になり陰キャを通し、自身がそれなりに好漢であることに気づいていない。
以降は、試練を乗り越えて晴れて恋人同士になった二人とその友人カップルが織り成す正統派・王道の学園ラブコメ。
暗い部分も飛ばさず通しで読むのがお勧めです。読んでいて心が温かくなります。「小説家になろう」でも充分通用しそうな綺麗な内容。

作中に、彼女が欲しい人への箴言が出て来るのも善きです(どこにあるかは読んでのお楽しみ)。
クリスマス、バレンタインデー、二人の誕生日、二人が初めて出会った思い出の場所での告白、と、恋人達に必須のイベントの話もきちんと取り入れられています。

主人公視点・一人称語りと、作者視点・三人称語りが混ざってしまっている事、綺麗な物語だったのにエタりかけて、非常に強引に完結させてしまっていることが残念。主人公の一人称語りがきちんと貫かれ、且つ丁寧に完結していれば文句なしに星3つでした。
作者氏は「迷子の女の子を家まで届けたら――」を代表作指定していますが、私にとっての代表作はこちらです。

英語圏の有志により英訳もされています。(題名で検索してみて下さい)

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