第95話 ……まあ、そだよね! (=゚ω゚)ノ


 これは、あたしが聖ジャンヌ・ブレアル学園のに、某SNSでラノベの相談をしていたときに、話が変な方向へと脱線してしまった……沈没してしまった……内容を、新作ノベルの練習としてライティングキュアしたものです。




 ――最近、知り合った某SNS友達、名前は『洋風座敷童さん』です。



 ある時、あたしのリツイートに合わせて、こう言ってきた。

「ところで、ねえ? 金髪山嵐さんって、SNSで何も書かないよね?」

 あたしは、

「?? それ、どういう意味ですか?」

 って返信して、そしたら、

「私が、こんなにリツイートしているのに、金髪山嵐さんって寡黙かもくなんだってことよ……」


「……はあ。そうですけど」


「別に、それが悪いことって言っているわけじゃないけどね。……言っとくけど、私は金髪山嵐さんのことをめちゃ甘いな~とか思っていないし」


「……? (/・ω・)/」


「結局は、好きにやればいいだけでさ、SNSなんて。気にしていないんなら、それで良いけどね」

 ……あ、あたし。

 意味がわからなかった?

「あの、洋風座敷童さん。それが何か?」

 あたしはそう返事をして、そしたら、

「よくあるじゃん! 最近、深夜のコンビニのバイトの若い男の子たちが店内の商品で遊んで、それをネットにアップして問題になったやつ。商品で遊ぶ男の子にも問題はあるけどさぁ」


 ……? どんな展開や? 

 やっぱわかんないぞ?


「はあ~?」

 あたしの返信。

 すると即答で――

「でもさ、よ~く考えたら、それをスマホで撮影して、しかもアップする友達もなんだかね~? って、そう思わない?」

「……まあ、知らないけれど」

 あたしのコメント付きリツイート。

「つまり、洋風座敷童さんは、何が言いたいのん?」

 って彼女に問い掛け……別に言い争ってはいないんだけどね。

 んで、そしたら――


「私達って、学園で同じ部活だよね?」

 そう呟いてきた洋風座敷童さんは、あたしと同じ部活員である。

「本来、身近な人にしか言葉って伝わらなかったはずで……、それが、人類の言語の歴史でもあるし」

 ――なんだか、急に真面目な話に変わったぞ。

「……プライベートである言葉は、とても身近な人達の間で進化したコミュニケーション手段。反対にパブリックの言葉は」

「例えば、手紙とか新聞や公文書などですよね? 洋風座敷童さん」

 あたしはツイートで即書き起こす。

 まあ、手紙にも色々あるけどね。文通とか恋文とか……


「……まあ、そだよね! (=゚ω゚)ノ」


 洋風座敷童さんの顔文字が可愛かった。

 ……でもさ、何が言いたいんだかさ、わかんなかったけれど。

「もっちろん! 商品で遊んだ男の子たちが悪いのだけれど。でも、あんなの昔からあったんだってば! それがいいとは、私は言ってないけどね」

 あたしは無言でツイートを読んだ。

 返信は返さなかった。

「男の子たちの行動は甘いけど、若いって、そんなもんだしさ」

(あんたも若いだろ……)

「問題になりたくないんなら社員を雇用しろってね。社員教育とか研修とかあるし、一通りの福利厚生や慶弔なんかもあるから、『私達はこの会社の剣です!!』って、自信を持って宣言できるしさ―― そう思わない? 金髪山嵐さん」


「この令和の時代に、昭和のスポコン話を?」

 テレビで見たことあった。

 昭和時代の社員研修って、運動部の夏の強化合宿なみにハードな有様だったということをだ。

「遊んでいた男の子たちってさ、プライベートじゃない。……まあ店内だけれど」

「……まあ、そういうノリでしたっけ?」

 実は、まったくこういったゴシップ? に、徹頭徹尾興味が無いあたしです……。

 正直、どうでもいい内容だった。

「けどさ! その動画をアップした瞬間に、それはたちまちインターネットというパブリックに変化へんげしちゃう」


 変化の杖?


「あんたのために、こういうつぶやきとか、リツイートしているんだよってさ、言われてもさ……」

 あたしは部活員の(この部活員は、洋風座敷童さんとは別人です。東蜘蛛さんのことです)との激論……もとい、コミュニケーションを思い出した。


 東蜘蛛さんとは小学生のときにからの仲ですよ……哀しくもだ。


「自分たちに気を引けって言われても、そんなの無理じゃん! だってさ、そもそもSNSでは『あなたはどちら様ですか?』ってのが普通だし。相手の顔も見たことないし、会ったこともないしさ」

「……ですよね」

 あたしは相槌を打った。

「それでも、しつこく聞いてくるフォローアーがいるけれど……。なんだか、言葉にはプライベートとパブリックがあって、それがネットの世界で、SNSでは妙に混同されてしまってるって思わない? ……そうそう金髪山嵐さん。ねえ知ってる??」



「な……何が?? ……です?」

 いきなし、話の展開をまた変えてくる洋風座敷童さんに、あたしは辟易で……。


 正直、SNS社会ってめんどくせーと思ったのでした。




 続く


 この物語は、ジャンヌ・ダルクのエピソードを参考にしたフィクションです。

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