最終話 戦場
あれから二ヶ月が経った。
最も変化が大きかったのは、やはり政府や国会議員達だろう。組織がばらまいたリストに載っていた現役大臣や大臣経験者、その秘書達はこぞって政界を追われて警察の事情聴取を受けた。その立役者となったのは、かねてから有力視されていた若手国会議員の
「おい、始まるぜ」
談話室のソファーでくつろいでいた
「まさかこんなに早くとはね」
「あの人、凄い人だったんだね!」
「ある意味想定通りか。な、
「まぁな」
各々自由にくつろいでいた四人もテレビを見る為に
『内閣総理大臣、
名前を呼ばれた
『……三ヶ月前。この議場は一度、変革者を名乗るテロリストに占拠されました。あの日、中継が中断された後に見た光景を私は忘れることが出来ません。一人の科学者と思われる白衣の男に連れられ、十歳にも満たない子供達が戦う為の道具として現れたのです。その後、報道各社に送られた情報により、この国の大臣達が秘密裏に子供達に人体実験を行い、特殊な兵士を作っていたことが発覚しました。私はまず第一に、この研究に関わった施設を全て解体し、研究を凍結します。そして二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、内閣府直属の研究機関を開示ならびに一部廃止とします』
「やるな、こいつ。そこまで言い切るか!」
「でもこれで、新しい被害者は生まれないんだよね!」
「ええ、やっと終わるのね」
「俺達が生きている限り、二度とこんな事は繰り返させない」
「これで俺達の復讐もお終いだ。だが」
「あとは国外に傭兵として出された子供達の保護だろ?」
「みんなを救って、見届けて、それでようやく私達の目的は全部達成だね!」
「その為にも、そろそろ時間よ」
言いかけた
「俺達の宣戦布告は無駄じゃなかった。今度は五人一緒ではないが、各自全力で子供達を助けよう」
「おう!」
「うん!」
Innovator-変革者- 飛永ハヅム @Tobinaga_hadumu
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