第2話 過去へ

凄くいい名だとナトリアさんに褒められたけれども、なんか…嬉しくないな。


『では、行きましょう!』


「え、!?どこにですか!?」


『え?過去空間のドアに行くのです。すぐ近くですよ。』


「えーと仰っている意味がわかりません。」


『つまりはですね、過去に行けるドアに行くのです!』


「なるほど。」

(なんだろう、口が勝手に…)


『あー!忘れていました、』


「ど、どうしたんすか。」


『春樹さん、過去といっても、どんな過去に行きたいのですか!?』


「いきなりいわれましても…」

どんな過去?俺はどんな過去に行きたいのだろうか?もし行けるのならば、うーん…。


「ちょっと、考えさせてくれませんか」


『全然いいですよお!』


過去、か…。過去の俺に会って、今の生活を見直してくれとか頼もうかな…。べつにどうでもいいし、過去の俺に会って話とか聞いてはくれるんだろうけど、実際やるかやらないかだしな…。勉強しろと言っても絶対やらねぇな俺。ま、ダメもとでやるしかないな…


「ナトリアさん、決まりました。俺が小3ぐらいの時に行きたいです。」


『いいでしょう!では、この先に見えるドアがありますので、ほら、あそこ。』


『では、行きましょうか!』


俺はナトリアさんについていった。するとドアが見えてきた。なんか違和感のあるドア。


『これが過去空間のドアですよ。もう行っちゃう?ん!?』


「え、えーと…」


「行ってみます。」

俺はドアノブをひねった。その先には真っ黒な空間だけが広がった。

「え?ホントに行くのこれ?行けるの…?」

俺は戸惑いながらも、1歩ずつ歩いた。


『あ!?やばい!春樹さん!!』

ナトリアさんは急に叫んだ。


「え!?どういうことですか!?何があったんですか!?」


『すみません…実は…』

そうナトリアさんが話していた時、俺は何かに吸い込まれていた。

『春樹さん!!』




「助けてくださああああい!!!なとりあさああああああああああん!!!!!うわあああああ!!」

俺はこの時、夏休み最大の叫びをしたと思う。



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タイムスリップ @mikuru3939

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