第44話


今日も授業がいつも通り終わり、放課後となった。


俺はいつも通りブンブン部に行こうと席を立つ。

すると、そこへ俺を呼び止める声が入った。


「樹君」


振り向いた先にいたのはロングの髪型に冷静沈着といった雰囲気を持つ少女だ。

そう、雨森由奈である。


「なんだ?」


「樹君がよろしかったらでいいんだけど、今日は一緒に帰れないかしら?」


「あー、駅までか?」


「ええ」


「まあいいぞ」


「そう!よかったわ!じゃあ早速……と行きたいところだけれど、樹君はこの後部活に行くのかしら?」


「ああ、そうだな」


「そう、じゃあ部活が終わった後校門集合で」


「ああ、俺は一向にそれで構わないが……雨森はそれでいいのか?」


「と言うと?」


「いや、ほら、その間暇したりしないかなぁと」


「ああ、大丈夫よ。勉強して待っているわ」


「あー、ならいいか。いや、暇するようだったら俺の部活で遊んでいくことを提案したかったんだけどな。まあそれも必要な——」


「いくわ」


「いだ……ん?」


「ちょうど暇してたところなの。行かさせてもらうわ」


「あ、ああ、だが勉強は——」


「それなら心配ないわ。実はさっきすべて終わってしまって暇していたところなの」


「あ、ああ、ならいいが」


「……これはもしかしなくても樹君ともっとかかわるチャンスよね……がんばれ私!」


「ん?なんか言ったか?」


「いえ、何も。じゃあ行きましょう」


そう言って雨森由奈は先陣を切る。


「おい、雨森」


「……何かしら」


「部室はこっちだ」


彼女のそれは勇み足だった。


***************************************




「くっくっく、先輩、今日も——」


「あー!いつきん!やっと来た!あたし待ちくたびれちゃったよ~」


「ちょっと向坂先輩!いつものルーチンを邪魔しないでください!」


「え~、別にいいじゃん~。それに最近はそれもできてないから“いつもの”じゃなくな~い?」


「それは!向坂先輩が!邪魔するからでしょう!」


「え~、私のせいにしちゃうんだ~」


「しちゃうも何も——」


「と、まあこんな感じだが、みんな悪い奴ではない。安心してくれ」


「だいぶにぎやかなところなのね……」


「ちょっと先輩!何よそ見してんです……か……はっ!もしやその後ろにいるのはにっくき魔王!こんちくしょう!あの時はよくも!」


後輩は失礼にも雨森由奈を魔王呼ばわりする。


「魔王?あなたにあったことってあったかしら?」


「このアマ!尻軽女!オオカミ少女!」


「オオカミ少女?ちょっと何を言っているのか——ああ、思い出したわ。あなたね。あの、体育祭の時に話しかけてきた」


「そうだよこの嘘つき女!よくも騙してくれやがりましたねこんちくしょう!」


「あら、あなた体だけじゃなくって存在感も小さいからつい忘れてしまっていたわ」


「ムキ―!この暴虐の限りを尽くす魔王め!いつか必ず討ってやる!」


「へえ、そんな小さい体躯でねぇ。脳みそまで小さいのかしら?」


「ムキ―!」


楽しそうで何よりである。


「ねぇねぇいつきん。こんなところに居ないで二人であっち行こうぜぇ」


「まあそうだな。仲よさそうだしここはあいつらに任せようか」


「これで仲良さそうって……なかなかいつきんもいつきんしてるね」


「いつきんしてる?よく分らんが……まあ行こうか」


「だね」


「「ちょっと待ってください」ちなさい」


仲良さげな二人から声がかかる。


「「どこ行こうとしてるんですか!」の!」


どこ行こうとしてるって、仲良さげな二人にここは任せて向坂とそこら辺を散策しようとしただけなんだが。






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後書きです。


実は今、僕は失意のどん底なんです。


というのも、オフィス365を消してしまったのです。


ああ、過去に戻りたい。

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