第20話

その後、俺たちはたくさん遊んだ。


女子たちとキャッキャウフフもしたし、野郎どもで沈めあいもした。


今は休憩しているところである。


「いやぁ、にしても女の子たちとキャッキャウフフできる時が来ようとはなぁ」


そう呟いて、また一口スポーツドリンクを飲むのは荒木幸助。


「いいよなぁ、お前は」


俺はその問いかけにこたえる。


「なんでだ?」


幸助は不思議そうな顔をする。


「いや、だってキャッキャウフフできるなんて相手から好意を抱いてもらえないとできないことだぜ?俺なんかお前のおまけだよ」


「いやぁ、違うんだけどなぁ」


「「やっぱり鈍感だなぁ」」


俺と幸助の声が合った。


「「ん?」」


「なんで俺が鈍感なんだ?」


そう俺は問う。


「お前こそそろそろ気づけよ」


「いやお前こそ!」


「いやお前だ!」


そう言ってああでもないこうでもないと言い合いをした。

少し苛立った俺は、幸助から離れて一人、岩陰でくつろぐことにした。


幸助には悟られないようにそろりそろりとその場を抜けて、ここまでくれば大丈夫だろうと思った俺は普通に歩き出す。


そんな時——


「いや!やめてください!」


聞きなれた女子の声が聞こえた。

そこには宮前佐奈が二人組のチャラそうな男たちに腕を掴まれている姿があった。


俺はすかさず助けに入る。

「放してやってください」


俺は男の腕をつかむと、腕をつかんでいる男の眼をまっすぐ見てそう訴える。


「おう兄ちゃん、なんだ?こいつの彼氏さんか?いいじゃねえか、ちょっとだけ楽しむだけなんだから」


そう言って男たちは目配せして下品に笑う。

まったく、下卑た野郎どもだ。


俺は宮前の腕から男の手を離すと、即座にその男の背中の方に持っていき、後ろからこう言った。


「ここから逃げるか腕を折られるか選べ」


「いっっっ!この野郎!」


「3……2……」


「わ、わかった!もう関わらねぇから!放してくれ!」


俺は男の腕の拘束を解く。

男たちは我先にと逃げていった。


「……ありがとう」


そう上目遣いで告げてきたのは宮前佐奈。

見ると掴まれた腕の方を擦っている。


「大丈夫か?まだ痛むのなら病院に——」


「いいの。それより、私疲れちゃったみたいだから少しその辺で休憩しよ?」


そう言って近くのベンチに腰掛ける。

俺は促されるがままに隣に座った。








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後書きです。


少し前に英会話スクールで褒められたという話をしたかと思います。

そう、Iced coffee の例のあれです。


僕は褒められたのでうっきうきで通っていたのですが、何と一般クラスの最底辺からのスタートでした。


体験授業の時は「君の英語すごくいいよ!」とにこやかに話してくれたのに、今に限っては無表情で「そこ、違う」と言ってくる始末です。


騙しやがったなこんちくしょう!


まあ、コミュ障の僕にとってはどんな会話でも楽しいので続けようかと思います。

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