第12話

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五条樹視点


炎天下。

秋霜烈日ここに極まれり。

これ以上暑さが加速度的に増えていくなど、悪魔的なものを覚える。


「半日もここにいるってマジっすか」


そう暑さにへばりながら言うのは荒木幸助。


「雲で太陽が隠れてさえいれば違ったのかもなぁ」


俺は頭上に燦燦と輝く太陽を仰ぎ見ながら言う。


「あら、おはよう、樹君……と幸助君」


そう俺たちにあいさつしてきたのは雨森由奈。

後ろを見ると、あの二人も一緒だ。


「「おはよう」」


その挨拶に、俺たちはそろいもそろって暑さのせいで間延びした声で応える。


「いやぁ、暑いねぇ。あ、おはよう!」


そう言って首あたりを手でパタパタと仰ぐのは宮前佐奈。


「「おはよう」」


「ソウね、カイガイ育ちのあてぃしにはヨケイ応えるわね。二人ともおはよう」


「「おはよう」」


「そういえば樹君、今日は玉入れだけれど……その……体の調子はどうかしら?」


「ん?ああ、強いて言うなら暑さで体が溶けそうなくらいで、問題はないな」


「そ、そう……」


その後、3人の間には沈黙が流れる。

……俺、なんか悪いこと言ったか?


「そ!そういえばさ!樹君は今日のお昼誰と食べるつもりなのかな!?」


宮前佐奈がその沈黙をかき消すかのように言った。


「ソ、ソウね!朝の子も気になるし!」


「朝の子?」


俺は気になって疑問符を投げかける。


「ちょ、ちょっとシャルリア!何直接聞いているのよ!」


「そうだよ!せっかく私が遠回しに聞こうとしたのに!」


「ご!ごめん!逸る気持ちが抑えられなくて!」


何やら三人は仲間内でぶつぶつ話している。

……朝の子?


今日の朝もいつもと同じように登校しただけだが……

いや、そういえば、あのポンコツ後輩から自分の競技を見に来るようにと言われたな。

あー、こんな暑い中移動するのかぁ。

面倒くさいなぁ。


……って、それか!

多分雨森たちはそれを言っているんだ!


「あ、あー、ちょっといいか?」


俺は何やらお取込み中の三人に言葉をかける。


「い、樹君!?さっきの言葉は気にしなくっていいからね!?」


宮前佐奈はずいっと俺の方に近づくと慌てた様子で言う。


「ちょっとあんた近過ぎよ!」


雨森由奈は宮前を後ろに引っ張ると、「ご、ごめん……」と呟く宮前を尻目にこう続けた。


「樹君?さっきのは勘違いよ?別に私たちは何やら樹君の彼女らしき人物と樹君が話しているところなんて見てないし、もし本当に彼女だったとしても気にしないわ」


「彼女?まさか。あいつはただの後輩だよ」


「後輩?彼女じゃないの?」


「いやいや、あいつとはあそこでたまたま会ったんだよ」


「おかしいわね。それにしてはあの子、女の顔をしていたわ……ハッ!まさか!」


「まあそうなるのはある程度予測できていたけど……」


「まずいかも……」


何やらぶつぶつ呟きながら三人は去っていった。








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後書きです。

皆さん、お久しぶりです。

はっきり言って進学の方はまずいです。

でも、趣味って大事だよね!

ということで、僕は結構カクヨムで読んでいるんですが、その時間を削って書くことにしました。

ちなみに、この作品は僕の大好物を具現化したようなものです。

ですから、もし似ている作品があったらどしどし教えてください。

他にも、トゥウィステッドニャンフでしたっけ?読み方は分からないのですが、そんな、英語の題名の作品があるのですが、それも好きです。

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