私の変なおじさん

野水 志貴

第1話

「今まで幸せになったことないでしょう。」


彼が私に初対面でつきつけた言葉が

刺さりすぎて

私のなかで完全に

「変なおじさん」「恋愛対象外」「だらしない」「共感能力0」

「失礼なやつ」「一生無理」などなど一切の失礼なレッテルを脳内ではりつけてやった。


それくらいの男、もといおじさんだったので

素というか、それ以下

もう嫌われてもいいやくらいの態度で接した


「はあ、そうですね。あなたも幸薄そうだしだらしなさそうだし、女の人よってこなさそうですよね。」

「ははは、めっちゃ嫌われてるね〜」


それでもこのおじさんはなぜか何回も私をさそってきた


「車ないでしょ、送迎するよ」

「ご飯は?」

「いるものは?」

「こまってない?』


すんごく、すんごく優しくしてくれた


「今すごく辛いのがわかるから、一番あなたに優しくしてあげる」

そう言ってた


いまでもその意味がわからない


いつのまにか

おじさんは私の生活の中にはいってきた

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私の変なおじさん 野水 志貴 @mametibi

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