1ヶ月で百合小説を11本書きました

 


 一度は終わったこの百合小説にまつわるエッセイですが、先月、2022年3月に百合小説を11本も書いたので記念に書いておきたいと思いまして、追加することにしました。

 ところで皆さんはKAC(カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ)はご存知ですか?

 私が先月11本も百合小説を書くことになったのは、この企画に参加したからです。

 カクヨムにいるからってカクヨムのイベント全部把握してる人ばかりではないので簡単に説明します。

 カクヨムが6周年を迎えたのでそのお祝いで行われたイベントの一つがKACです。

 運営が3月中にお題を11個出すので、そのお題に合わせて600~4000字の短編を書く企画でした。

 去年も行われていたようですが、私は今年初めて気づいて、今年初参加でした。

 当初は面白そうなお題で数本書けたらいいなくらいだったんですけど、一度書くと全部のお題を書かなければ!!みたいになって、結局全部参加してしまいました。

 参加作品全て百合です。

 私としては男主人公でなければ成立しないお題でなければ、全部百合で書くと決めていました。

 特に男主人公じゃないといけないお題はなかったので、百合で統一できたので良かったです。

 取り敢えず参加してみて、頑張れば11本は書けるんだなと実感して、少し感動しました。

 カクヨムで毎日更新とか一日何回も更新している人からしたら、別に3日に1度くらいのペースで書くなんて楽勝だとは思うのですが、私はせいぜい月2回くらいの生産量なので大変でした。

 まずお題が全部あらかじめ出ているわけでなく、当日発表なんです。

 だからネタはお題が出たら2日くらいで考えて書き上げないといけないのが辛かったですね。

 時間が短いので話を練れないし、字数制限もあるからそんなに話も盛れない。一発勝負、ぶっつけ本番みたいな感じで私は書いていました。

 何となくストーリーが浮かんだら書いて、字数を確認しつつラストまで持っていく。

 最初に書いた『彼女の音色』は字数上限を6000字と勘違いして泣く泣く削りました。それはもうドレスアップしたシンデレラが義姉たちにひん剥かれるのを見ているような、そんな気分でした。

 色んなものが減ってみすぼらしくなってしまうような。

 そのせいかどうか分かりませんが『彼女の音色』は参加作品で二番目に閲覧数が少ないです。ちなみに一番少ないのは最新作なのですが、最新作とわずかしか差がありません。

 最初から4000字目標に書くのと、書いたものを4000字にするのって、けっこう違うなと思いました。

 私は完全に趣味で書いてるので基本的に字数を気にして書くことがほぼなくて、余計に削る作業が慣れてなくて、思うように完成させられませんでした。

 逆に一番読まれているのは二作目の『部下の推し活』でした。この話ははと子の十八番、十歳以上の年の差百合です。私の作品をよく読んでくださってる人が見たら、またこんな話か、と呆れられてそうですが。

 これはいつものノリで書けたので、わりと楽に書けました。

 二番目に読まれているのは『悪魔を呼んでみたから、彼女をお願いしてみた』です。

 テーマが「お笑い・コメディ」で困りました。何を書いていいのかネタが浮かばなくて。百合でコメディってことは、ラブコメを書けばいいんだ! と思ったまでは良かったんですけど、そもそもラブコメ書いたことがない。どんな風に書いていいかも分からない。

 もしこれが漫画なら描きやすいのになぁなんて思って。そこで以前4コマ漫画を描いてた時のノリで書けばいいのでは? と思いこの話ができました。

 でもいつも書いているものと雰囲気が違うし、ファンタジー要素もあるので、これが一番読まれない話になるんだろうなと覚悟しました。

 ですが、何故か二番目に読まれている話になりまして、自分でも何でこれを読んでもらえてるのかは分かりません。おそらく私の小説を読んだことない人も読んでくださったからかなと予想しています。

 ラブコメは多分もう書かないと思います。

 三番目に読まれているのが『特別になれない私とあなた』です。この話は私にしては珍しく悲恋ものです。恋が実りません。

 最後までくっつけるか悲恋のままか悩んで、実らなかったのは字数が足りなかったからです。

 久々にラストまで一気に書き上げられたので、内容は切ないですが気持よく書けました。そうやって完成した話は概ね読んでもらいやすいので、悲恋でも応援してもらえたのは、そういう面もあったのかなと思います。恋って楽しいばかりじゃないですから、たまにはこんな話もいいかな。

 


 11本書き終えて、完走できたのは自分的には満足度が高かったです。やりきった! という達成感はありました。

 ただどの話ももっとああしたい、こうしたいという無念さはあったので、やっぱり小説は自分のペースで書くのがいいように思います。

 11本とは言いましたが、そのうち4本は同じ登場人物が出ているので、作品数的には7本って感じなんですよね。それは振り返ると中途半端だったなと後悔しています。

 いっそ全編同じ登場人物にでもしないと、ちょっとずるかったかなと。

 反省点もたくさんありました。

 もし来年もKACがあったらその時はひっそり見守りたいと思います。ここまで書いて「参加しないのかよ!」と思ったかもしれませんが、やはり月に11本は私にはハードです。そのせいで連載作品一つも更新できなかったし。

 ただ、11本書けたんだから月に5回くらい更新するなんて楽じゃない? と思えるようになれたのはよかったです。

 



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

はとエッセイ 砂鳥はと子 @sunadori_hatoko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ