第8話 始まり ※新規エピソー
「此処が、本当に船の中・・・?」
無機質な壁を幾つか越えた先は、見た事も無い自然であふれていた。
〈生活をして頂く建物は、こちらで既に用意してあります。荷物も運び入れておりますのでご活用下さい。また、建物の座標は常に端末に表示してありますので、そちらをご参照頂けます。〉
眠っているイオリを背中におぶったまま驚きの声を上げる僕に、ノアは事務的な口調でそう告げる。
まだ培養槽を出たばかりのイオリは話す事は勿論だが、まともに歩く事すらも出来ないので、僕が抱える以外に長距離を移動する事が出来ない。
ある意味、生まれたばかりなのだ。
そんな状況下で半年程を過ごした居住区画を離れ、今日から新しい生活が始まるのだが・・・今、僕の目の前には森が広がっていた。
それどころか、青空すらも見えている。
確かに専用の区画を使うとか聞いた覚えはあるけれど、船の中で流石にこれは意味が解らない。
「隔壁の先に、こんな光景が・・・あるなんて・・・」
僕の暮らしていた地域では近年、豊富な地下水があるにも関わらず原因が不明の深刻な砂漠化が進行していた為、人々が暮らすビオトープと呼ばれる巨大なドームの中でしか、木々は存在していなかった。
無論全てが砂漠に飲まれた訳では無いので、国内にも自然に囲まれた場所はまだ残っていたようではあるが、旅行をした事がない僕は天然の森というものを見た事がない。
尤も、方舟の中だからこれらも天然だとは言えないとは思うが。
・・・しかしこうなると、用意された家とやらもどういう物なのかが不安になってくるな。
それに、色々と便利な道具の数々を利用して暮らしていた僕に、果たしてノアの言う技術継承とやらが務まるのか?
「ねぇノア?この区画とやらの中は、一体どうなってるの?何で、こんなに暑いのさ・・・」
いや、今更考えても仕方ない。
湧いて出た不安を振り払い、腕時計型の端末に記された地点へと歩みを進めながら、先程超えてきた隔壁へチラリと視線を向けつつ、僕はノアに問い掛ける。
・・・そう言えば、地球にそのまま居たとしたら、今は丁度七月の末ぐらいだ。
だから此処が今暑いのも、地球の季節に合わせているからなのだろう。
となると、冷房が恋しい季節だなぁ。
〈これらの区画の内部は隔絶された空間となっており、それぞれ様々な環境を再現している為です。〉
僕が聞いたのはそういう意味ではなかったのだけども・・・。
まぁ、自己解決してるから構わないけど、これは覚悟を決めないといけないようだ。
「隔離空間とか、環境再現とか現実味が無いを通り越して、最早SFの産物なんだけど・・・。ホントに、どうなってんのコレ・・・。」
〈具体的な機構につきましては、連続帯である空間を幾つものーーー〉
「いや、わかんないから詳しい説明はいい・・・。それより、暑すぎて・・・バテそう・・・。」
自分の中の不安を誤魔化す為の独り言を質問と捉えたのか、突然ノアが何かの説明をし始めたのを制止して、僕はなけなしの体力を振り絞りながら歩き続ける。
この船がおかしいのは今更すぎるし、説明を聞いたとして余りにも超文明の遺物過ぎて、僕が理解出来るとも思えない。
そんなことより、この区画に到着するまでイオリを背負いながら気温の調整が為されていない場所を徒歩で延々と歩かされたり、幾つもの長い階段を昇らされたりした挙句、専用区画に入ったら入ったで冬の温度から急に夏の気温に晒されて、正直体力や思考力が限界に近付いていた。
〈警告します。脈拍の異常と体温の上昇を確認致しました。速やかに、水分の補給と休息をとる事を推奨致します。〉
・・・最早、何も言うまい。
「あれか・・・。」
途中休憩を挟みつつやっとの思いで地図に従い森を抜けると、そこには草原が広がっていて、すぐ近くには白い壁面を持つ平家の建物が見えていた。
どうやら、アレらしい。
距離自体は隔壁から然程離れておらず、イオリを担ぎながら休み休みでも20分程で到着出来たが、鈍っている身体には辛い物がある。
イオリは・・・まだ寝ているな。
だけど、この暑さじゃ幾ら調整とやらを受けているイオリとはいえ、具合が悪くならないとは限らない。
早く家に入って、寝かせてあげなきゃ。
そう考えながらなるべく急いで建物に向かっていった僕は、段々と近付くにつれ顕になる建造物の不自然な様相に、思わず足を止め呆然としてしまう。
「なんだ、これ・・・。」
遠くからでは気が付かなかったが、何というか・・・この建物は余りにも近代的過ぎるのだ。
正直、アニメで見た事がある木造のあばら屋のような物を想像していたのだけれど、基礎の部分にはコンクリートのようなモノが使われているし、よくよく見れば壁面に空調の排気口のような物も確認出来る。
流石に周りの景色に比べて明らかに異質すぎないか?
・・・って事は、もしかして?
「ねぇ、ノア?・・・まさか、電気が使えるとかは・・・ないよね?」
〈はい。ご利用頂けます。〉
いやいやいや・・・。
ノアの答えを聞き、イオリをおぶったまま建物の外側を伝って足早にグルリと一回りし外観を確認したのだが、パッと見た感じではカーテンの閉じられた部屋は幾つかあるものの、発電機の類が設置されているようには見えないし、蓄電池のような物も無い。
「・・・発電用の設備なんて、見当たらないけど?」
太陽光、若しくは地下に何かにあるのか?
〈こちらの建物は隔壁から直接電力を供給しておりますので、その様な設備を必要としておりません。〉
「な、なるほど?」
どうやら、埋没式の電線のような物が通っているようだ。
だから、余り隔壁から離れてはいないのだろう。
ならば、水道も使えるのかもしれない。
・・・助かった。
最低限は文明の利器が使えるのだと知った僕の中に、ほんの少し安堵の思いが湧いてくると同時に、自分が今イオリを背負ったままなのだという事を漸く思い出す。
こんな所に立ち尽くしている場合ではない。
いい加減中へ入ろう。
「お、お邪魔しまーす・・・?」
扉を開け玄関へと入りながら恐る恐る声をかけてみるが、返ってくる声は無い。
まぁ、当然・・・だよな。
この船に、人間は僕達しかいないのだから。
それよりも、玄関からして既に空調が効いているのか断熱が利いているのかは分からないが、大分涼しい。
これならば、中々快適に過ごせそうだ。
「・・・まずは、イオリを何処かに寝かせなきゃ。」
すぐに思考が逸れる悪いクセがあるのは自覚しているので、今やらなくてはいけない事を自らに言い聞かせるように呟きながら、靴を脱ぎ入ってすぐ右手にある扉を開ける。
すると、そこはかなり広い部屋となっていて、ソファや座卓が設置されている所を見ると、此処が居間なのだろう。
とりあえずイオリを目に付いたソファに寝かせた後、改めて部屋を見渡すと奥に椅子とテーブルがあり、備え付けられたカウンターの中には冷蔵庫がある事に気付く。
台所もしっかりあるらしい。
此処に来るまでに大量の汗をかいた為、水分をとる事も兼ねてカウンターの中にあった水道のレバーを操作すると、綺麗な水が出てきた。
こちらも問題無く使えるようだ。
水に至っては変な匂いもしないし、寧ろ美味しい。
「なんとか、なる・・・かな?」
見慣れた物を見れたおかげか、水を飲んでひと心地つけたからかは分からないが、先程感じたよりも更に大きな安堵感を覚えながら、僕はカーテンを開けて外の景色を眺めつつイオリの側に腰を下ろし、今日何度も繰り返した独り言を呟く。
そうして少し休んでからイオリが眠っている事を再度確認した後、僕はワクワクしながらこれからお世話になる家の中の探検をし始める。
リビングには入ってきたドアとは別に家の奥へと向かうもう一つの扉があって、そこから出るとすぐ目の前にはトイレとお風呂場が並んでいた。
洗濯機や乾燥機も脱衣場にあったのは、正に至れり尽くせりってヤツだな。
リビングから見て水回りの左側には、裏口と思われるドアへと繋がる廊下があり、その廊下を挟んだ先に入り口が一つしかない少し大きめの部屋が見える。
そして、その対面にも幾つか扉があるのが確認出来たたので、結構広いなと思いつつ、先に広めの部屋以外のドアを幾つか開けて中を確認するも、どの部屋も空っぽだった。
玄関の方へ向かう廊下にもまだ幾つかドアがあるようではあるが、とりあえずは後回しでいいや。
日当たりの良くない部屋は物置として使おう等と考えながら、僕は最後に少し大きめの部屋の扉を開ける。
すると、中には僕の部屋にあったフィギュアや映像ソフト等のコレクションの数々が棚に丁寧に陳列されており、まるで此処に来る前の僕の部屋がそのまま再現されているかの様にも思えた。
これはノアの気遣い・・・って事なのだろうか?
「僕の部屋は、此処って事だな。」
半年振りに見た光景の懐かしさからか、部屋の入り口で思わず呟いてから僕は中へ入り内部を見渡す。
壁紙とかは流石に違うが、よくよく見ればベッドも、勉強机も、設置していた棚も、みんな・・・僕の部屋にあったものばかりだ。
・・・気付けば、何故だか分からないけれど、目頭が熱くなっていた。
もう返る事は無いと思っていた筈の日常が、目の前にあるのだから仕方の無い事かもしれない。
目尻を拭い汗だくの長袖を脱ぎ捨て半袖へと着替えた僕の視界に、ふとコレクションが並べてある棚が目に入る。
すると、その中にあったある物から、僕は目が離せなくなってしまった。
多分、無意識のうちに探したのだろう。
これも・・・もう、戻って来ないって・・・そう、思っていたから。
居住区画にあったのは僕が普段使っていた物ばかりだったから、内心で諦めるしかないと考えていたんだ。
・・・それが今、僕の目の前にある。
失ってしまった彼女との・・・〝サキ〟との思い出のある物。
いつだったかの僕の誕生日に彼女から贈られた、フィギュアだ。
去年の今頃はまだ、僕とサキは恋人同士では無かった。
だからその頃は、あくまで好きな作品のキャラクターだからと飾っていたに過ぎない。
しかしそれが、いつの間にか・・・僕の中で大事な形見へと変わってしまった。
僕とサキは家が近所で、小さな頃から学校もずっと同じ。
所謂、典型的な幼馴染ってヤツだ。
尤もちょっと特殊な地域柄か、人の出入りがそこそこあって、住んでいる人数の割に幼馴染はサキを含めて二人しかいなかったのだが。
・・・サキの事を幼い頃から好きだったかと聞かれると、正直よくわからない。
いつも一緒に居る事が当たり前過ぎて、寧ろ身長差の所為か兄妹と間違われる事すら何度かあったぐらいだ。
でも、去年の九月・・・。
僕は、漸く自分の気持ちに気が付いた。
キッカケは、僕達が通っていた学校の学園祭で、サキが別の男子と歩いているのを目撃した事だ。
その時の僕は、夏休み前の変な時期に転校してきたばかりで浮いていた女の子がクラスに馴染めるようにと思い、その子と二人で実行委員をしていたのだけれど、それがサキには面白くなかったらしい。
もう一人居る幼馴染の入れ知恵で、僕の気持ちを確かめる為に学園祭当日にそういう行動に出たのだと、サキからは後で聞かされた。
そして一ヵ月くらいの間、そんなサキのやり方が気に入らなかった僕は、つい顔を合わせれば喧嘩をしたりと散々周りに迷惑を掛けつつも、時間は掛かったけれど何とかお互いの想いを伝え合ったんだ。
でもそれから二ヶ月程で、サキは僕の前から居なくなる。
・・・サキだけじゃ、ない。
サキといつの間にか仲良くなっていた転校生の女の子や、もう一人の幼馴染も、その時に・・・。
その二人も、僕の大切な友達だったのに、僕は全てを失ってしまったような、そんな感覚に囚われ何もかもがどうでも良くなって塞ぎ込んだ。
今考えれば、一月頭の僕の17歳の誕生日か、クリスマスの贈り物を三人で選びに行ってくれていたのだと分かる。
でも・・・どうして、こんな事に・・・。
半年以上経った今でも、そんな風に考えない日は無い。
フィギュアがあるなら、アレもあそこにあるのかな?
ふと、そんな考えが頭をよぎった僕は、本来の用途では余り使っていなかった勉強机の前に立つ。
僕からサキへのクリスマスプレゼントは、これらの家具が僕の部屋にあった物であるならば、永遠に渡せないまま・・・まだ、この机の引き出しの中にある筈だ。
そう考えながら、僕はプレゼントがしまってある引き出しに手を掛ける。
しかし、手が震えてしまいどうしても開けられそうにはなかった。
何故か、中を開けて確かめてみる勇気が・・・湧いて来ない。
認めたくないのだろう。
僕の名前にも、そうあれと込められている筈なのに。
・・・いつまで経っても僕はそのまま、という事らしい。
僕はこの痛みを抱えたまま、これから先やっていけるのだろうか?
サキとの思い出を思い返しながら、気を抜けば涙が溢れてしまいそうになるのを何とか理性で堪えつつそんな事を考えた矢先に、廊下の方から声が聞こえたような気がした。
・・・まさか、イオリが目を覚ましたのか?
そう思い至った僕は、慌てて新しい自分の部屋を後にする。
多分、言い訳をして逃げたのだと、頭の片隅では理解をしてはいたのだけれども。
『あぁーーー!』
部屋を出た直後、イオリがかなりの声量で泣いているのが聞こえてきた。
不味い。やはり、起き出していたらしい。
お腹でも空いたのだろうか?
そんな事を考えながら、僕は居間へと急ぐ。
「どうしたの!?」
居間への扉を開け、大音量の泣き声が響く中、僕はイオリに駆け寄った。
すると、声で僕が現れた事に気付いたのかイオリはわんわんと泣き喚きながらも、必死にこちらへと身体毎手を伸ばす。
これは・・・寂しかったのか?
・・・いや、それよりなんとかしてイオリを落ち着かせなければ。
僕はイオリを抱き上げて背中をさすったり、なるべく優しく頭を撫でたりを交互に繰り返してみた。
暫くそうしていると、まだぐずってはいるものの、何とか泣き止んでくれたようだ。
でも、相当不安だったのか僕の服を掴むイオリの力はとても3歳ぐらいの幼子とは思えない程に強く、僕はその事にも驚いてしまう。
・・・考えてみれば、目を覚ましたら見ず知らずの場所で側には僕も居ないのだから、生まれたばかりのイオリにとっては恐怖でしかなかったのかもしれない。
眠っていたとはいえ、長い時間イオリを一人にするべきではなかったな。
「怖い思いをさせてしまって、本当にごめんね。」
謝りつつも、僕はまだグスグスと鼻を鳴らすイオリを抱きしめながら必死に撫で続けていた時ふと、ある不安が胸の内に湧き始める。
ちょっと目を離すとこうなってしまうのでは、本当に農業なんてやっていける余裕があるのか?
それに、勿論僕に育児の経験だってある筈がない。
僕は、一体どうしたらいいんだ・・・?
そうやって、不安に塗れた僕とイオリ二人だけの生活が始まった。
最初の数日は本当に大変で、今まで料理を余りした事が無かったからか、固形物が食べられないイオリの為のお粥作りに挑戦したはいいものの、火加減を間違えて鍋を焦がしてしまったり、シャワーをイオリの頭から勢いよくかけてしまい大泣きさせてしまう等等、失敗には事欠かない。
ただ、同じ失敗だけは繰り返さないようにと細心の注意を払いながらの生活は、最近感じる事の無かった張り合いのようなモノは感じられた。
毎日が勉強の連続だって言葉の意味を、僕は初めて実感した気がしていたんだ。
・・・だけど、その所為か自分でも気付かぬ内に疲れてもいく。
それがまさか、切欠になるなんて。
そうやって家事に少しずつ慣れ始めてはいたが、時間の感覚が曖昧になり、恐らく二週間ぐらいが経過したと思われたある日。
何とか昼食をイオリに食べさせていた時に食べ物について問い掛けたら、そろそろ少量のフルーツ等から固形物を食べさせようとの進言をノアに貰った、その日。
僕達は食事の後でアニメを観ていた。
まぁ、アニメといっても幼児向けなどでは無く、僕が購入していた深夜アニメではあったのだけれど、主人公がペットの犬で、様々な動物達と話をしたりするような、子供が見ても何の問題もないものではある。
声優が謎に豪華だから、買ったんだけどさ。
イオリはこれがお気に入りらしく、幼児向けのものよりも好み何度も何度も繰り返し観ていた。
勿論、僕もこれまでに何度か見た事があったけれど、イオリが笑顔でパタパタと手足を動かしたりしている様子がとても微笑ましくて、そんなに喜ぶならばと繰り返した全てを一緒に観ていたのだが、どうもそれが僕の眠気を誘ったようだ。
気付くと、僕はイオリをほったらかしにして眠ってしまっていたらしい。
自分が考えていた以上に、僕は疲れていたのだろう。
どれだけ時間が経ったのか定かではないが、顔に何か柔らかな衝撃を感じた僕は、ゆっくりと目を開ける。
すると、僕の頬に手を添えながら眉を寄せ覗き込むイオリと、目が合う。
どうやら、僕が寝ている事に気付いたイオリは、僕を起こそうとしたようだ。
『ごしゅ・・・めー!』
・・・は?
今・・・なんと?
『めー!』
突然の事に思わず固まっていると、まだ僕が目を覚ましていないと思ったのか、イオリは再び僕の顔をペチペチと叩きながら口を開く。
『ごしゅじ!めー!』
まさか、ご主人・・・と、言ったのか?
いやいや、そんな筈は・・・。
『ごしゅじー!』
・・・勘違いでは、無いらしい。
中々動こうとしない僕の頬を、イオリは必死な顔で叩き続ける。
痛くは無い・・・のだが、初めてイオリが発した言葉が余りにもあんまりだったので、思わず僕の思考が停止しただけだ。
『めーーー!』
多分、イオリは観ていたアニメの主人公の犬が、布団以外で眠る飼い主を起こそうとして揺すったりするシーンの真似をしたのだと思う。
・・・いや、だからってさぁ。
以来、イオリは僕を呼ぶ時にご主人と呼ぶようになってしまった。
それは、何度止めさせようとしても直る事は無く、その内に別のアニメでご主人様と呼ぶのを観て以降、ご主人様という呼び方が定着してしまう。
子供の吸収力を、正直甘く見過ぎていたのかもしれない・・・。
最初にちゃんと自分の名前を教え込んでいればと、暫くの間僕は後悔し続ける事になった。
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