またのご来店お待ちしています

終章

『化け猫亭』の主人、お蘭は三毛柄のしっぽを、ゆらゆらとご機嫌に揺らす。


「さて、お客さんの役に立ちそうな子は、うちにいいたかい? まだまだこれから、猫又たちいの子は増える予定だから、時折、店を覗いてくれるとうれしいねぇ」


 お蘭が言い終わると、紅丸、白菊、月夜の三匹が主張を始めた。


「俺様は小物の修理や、瓦の修理も、請け負うにゃ」

「白菊は家事手伝いもいたしますにゃあ」

「ぼくは、ぼくは、えっと……ふみと、ちいさいにもつなら、はこべるにゃ!」


 力説する三匹に、お蘭は苦笑した。


「こらこらおまえたち。お客さんを困らせるようなことを、するんじゃないよ」


 猫又三匹たちを優しくいさめると、お蘭は客に向き直る。


「まぁそういうわけだから、また困ったときはいつでもこの店、『化け猫亭』においで。困っている人や忙しい人に、化け猫の手を貸すのが、うちの売りだからね」

「にゃあにゃ!」


 お蘭と三匹はそう言って、出ていく客を見送った。

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化け猫亭~化け猫の手、お貸しします~ 岡本梨紅 @3958west

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