パターン青! モデルナです!

月城 友麻 (deep child)

モデルナ襲来

「パターン青! モデルナです!」

「副反応だと!? バカな! 接種の一回目の発熱確率は6.5%だぞ!」

「情報が古いわ……、日本人はね25%なのよ……」

「だからファイザーにしておけと言ったんだ!」

「何を言ってるの!? 今はモデルナの予約ですら取れないご時世なのよ!」


「体温がどんどん上がっています! 37.9度……38.0度……」


 ボン!

「キャ――――!」

「ダメです、体温計が破壊されました!」

「くっ! こうなったら解熱剤……アセトアミノフェン投与だ!」

「無理です! アセトアミノフェンはどこも売り切れで調達に失敗しています!」

「くぅ! 解熱剤くらいなぜ接種会場で配らんのか!」


ぐぁぁぁぁ!

「大変です! 接種者が暴れだしました!」


ぐぁ! ぐわぁぁ!

「やむを得ん! イブプロフェン投与に切り替えろ!」

「イブプロフェン600㎎セットOK!」

「よし! 投与!」

「投与!」


「一回目でこんな発熱……。反ワクチン派が黙っちゃいませんな……。これもシナリオの内ですか?」


          ◇


「ワクチン反対! ワクチン反対!」

「人口削減計画の一環だ!」

「マイクロチップが埋められて5G通信で操作されるぞ!」

「ワクチン反対! ワクチン反対!」


「始まったな。」

「ああ、全てはこれからだ。」


果たして二回目の接種は行われるのだろうか……。

朦朧とする意識の中、接種者はmRNAと接続し、抗体値が上がっていくのをただ眺めていた……。

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