二人の料理対決②

 昨日。放課後。将棋部の部室。


「そういえば、あんたたちは結婚したわけだけど、料理って相変わらずあんたがやってるの?」


 僕と死神さんの対局中、不意に、横で対局を見ていた先輩がそんな質問をしました。


「はい。一応、僕がやってますよ」


「なるほど。……お姉さんって確か料理下手だったわよね」


「む! 見くびらないでほしいな、先輩ちゃん。私だって、昨日は料理したんだから」


 グッと胸を張る死神さん。まあ、確かに、昨日は手伝ってもらいましたが……。


「へー。ちなみに、お姉さんは何作ったの?」


「サラダにプチトマトを載せたよ!」


「…………」


「…………」


 どうしてそこでドヤ顔ができるのでしょうか。


「サラダにプチトマトを載せたよ!」


「いや、聞こえてるから。っていうか、それは料理とは言わないわ」


 呆れ顔でそう告げる先輩。その言葉に、死神さんがプクッと頬を膨らませました。……かわいい。


「それなら、先輩ちゃんこそどうなのさ?」


「わ、私?」


「そう。先輩ちゃんは、料理とかするの?」


「……ふっ。私だって料理くらいするわよ。昨日だって、卵かけご飯作ったし」


 どうしてそこでドヤ顔ができるのでしょうか。(二回目)


「卵かけごはんは料理じゃないよ!」


「お姉さんに言われたくはないわね!」


 ついに言い争いを始めてしまった二人。何ともまあ……ハハハ。


 かくして、二人は料理対決をすることになったのでした。

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