『小學句讀』序(10)

『小學句讀』序

 れ學を爲して、これを己におごそかにせず、その事をまざれば、誦說しょうせつ多しと雖えども、辭章じしょうたくみなりと雖えども、皆な空文なり、吾が身において何の益あらんや、家・國・天下において何の補いあらんや、聖人の道において何の似る所あらんや。



 ー 『示蒙句解』による注 ー

 ・是れより以下は、學者の空文にはせる害をといている。


 ・「しょう」とは、經書をそらによむことである、「說」とは、その文義をとくことである。たとえ誦說すること、多くともということである。


 ・「辭」は、ことば、「章」は、ことばのあやをなすを云う。「たくみ」とは、上手と云う義(意味)である。言辭文章をつらねること、たくみであるのである。


 ・上に云う如くであるのは、皆な空文の學である。


 ・ついにその身を成すことはないのである。


 ・「おぎなう」とは、かけたる所を、つくろう義(意味)である。少しも道化をたすけることはないのである。


 ・聖人の道において、少しも似る所がないために、ついに聖人の道に入ることを得ない。

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