『小學句讀』序(9)

『小學句讀』序

 しからざるときは、則ち勉焉べんえんとして以て大學に進ままく欲すとえども、お室を作ってもとい無きがごとし、成ることもまたかたからん、况んや空文にせるをや。



 ー 『示蒙句解』による注 ー

 ・是れより以下は學者のまず小學によらない害をとく、「しからず」とは、かくの如くに、まず小學によりて、明倫・敬身の學をしないことを云う。


 ・「勉焉べんえん」は、つとめる義(意味)である。にわかにいつとめて、大學の道にすすまんとするのだ。


 ・「室」は、いえである。


 ・成就しがたいであろうはずである。


 ・ましてや心にさとり、身におこなおうと思わないでして、ただ空文の學に、はせおもむく者をや。これは決して聖人の道に入ることはない。

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