『小學句讀』序(3)

『小學句読』序

 ああ乎、士、不幸にして時に逢わず、さにぞくたがって、聖人の道を學んで、以て其の身を成さんとす。



 ー 『示蒙句解』による注 ー

 ・なげく詞である、これもほめ(褒め)なげく(嘆く)のである。是れより以下は、人に空文をすてて、實學をつとめるべきよし(由)を、すすめ(薦め)とく。


 ・不幸とは、さいわいあらないのである。士たる者、不幸にして、道化のおこなわれる時に、あわずとも、とである。


 ・時の風俗にたがいてである。


 ・聖人の道をまなぶは、即ち實學である。


 ・人は萬物にすぐれているけれども、道をしらない時は、禽獸にちかい、ただこの道をまなんで後に、よくこの身を成就して、全ったき人となるのである。

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