3-28.笑い虫、大剣を振るう
※今回は、へイリア視点から展開されていきます。
商業特権区域ルキウム、第二通り。
僕は件の
テムさんの先導によって、僕達は比較的短時間で
僕ら『
いくら
人類の利はここにある。一人一人の個が弱くとも、力を合わせて戦うことで何倍にもその力を増大させることができるのだ。
今も
まずは、情報が欲しいところだが、立っているだけで教えてくれるなら存外楽なことはない。現実はそう甘くないのだ。
「テムさん、かの
「それを確かめるために、私達は今、ここにいるのでしょう。
何事も最初は殴ってみるものですよ。
そしたら、何かがわかるのではないでしょうか?」
「それもそうですね! じゃあ、僕。先陣切ってもいいですか?」
「あぁ、それは勿論! ……おや、何か声が聞こえませんか?」
「え? 本当だ、塔の方角からですね」
二人が後ろを振り返ると、その小さな身体を存分に背伸びしながら、大きく手を振る存在がいた。
「おーい! 皆の衆、イノーが来たぞ! 戦況はどんな感じだ?」
「おお! イノーさんじゃないですか! よくぞ来てくださいました!」
「イノーさん! 結婚式の時はどうも!
今、こちらから攻撃を仕掛けていこうかと思っていたところです!」
ようやく僕らの目の前まで辿り着いたイノーさんは肩で息をしながら、親指を突き立てた。
「ハァハァハァ……。なるほど、いいだろう! ならば、ワシが君達を助けてやる。
我が魔法を以てして、最大限の援護をしてやるぞ!」
「本当ですか! 助かります。では、早速よろしいでしょうか?」
「おうおう! 任せておけよ! さぁ、往くがいい」
「はい! うぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!」
僕は、
今日は、大剣を携えてきた。父さんも武器として使っていた、言わば父さんの
これで勝って、また一歩近付いてみせる。
後ろを振り向いて、目配せをする。イノーさんも白い歯を見せてきた。
「どこの
礼儀を知るためにも、自分のことを『石』とでも思っておけ!
――『
なるほど、
僕は、背中から引き抜いた大剣を振り被り、眼前の
その
「何ッ⁉」
最初に声を上げたのはイノーさんだった。
僕はただの一言も発せられぬまま、
「この
大剣の初戦。それは苦しい
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