第二章 子供達は踊り続ける

『オズ』編

2-1.存命の秘密

 兄のエクが組織するという『我世』への入隊を目指すことを告げられた。

正直、未だ半信半疑だ。展開が早すぎて飲み込めていないことが多すぎる。

第一、俺はなぜ生きているのかという、一番大きな謎が解決できていないのだ。

そこで、まずは、そこから教えてもらうことにした。

オズの知っていることを洗いざらい話すよう伝えると、


「私もまだ詳細なことは分かっていないのヨ。

でも、ザーが一番気になっているだろう、今こうして『生きている理由』なら分かっちゃうネ~」


と告げられた。

 それに対し、


「本当か! もったいぶらねぇで早く教えてくれってーの!」


 オズの言葉に被るように、語勢を強めて発言する。

オズもそれに気圧されるように、一歩後ずさって一息吐いた。


「ザー、よくよく聞いてネ。

さっきザーの記憶の海を渡ったとき、いくつかの別の記憶も見ることができたのヨ。

その中で、衝撃の事実が告げられていたネ。それは……」


 どれだけもったいぶるんだろう。焦らされ続け、嫌気がさしている。

それなのに、目は爛々と輝いているのを隠せていなかった。俺はゆっくりと喉を鳴らす。


「……ザーが自分の死によって、他人の呪いを解く能力をもってるってことなのヨ! そして、何度死んでも、ザーは死ねないらしいネ~‼」


「えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええ‼」


 大音量で反応してしまった。いや、無理もないだろう。

ほんとのほんとに衝撃の事実だったのだから……。

俺は死んでも生き返る、不死の能力をもっていた。

でも、分からないことはまだある。


「『他人の呪いを解く能力』ってどーゆー意味なんだぁ?」


「それが分からないのヨ……。何せ記憶の断片しか覗けなかったのだからネ。

というか、本来ならきっちり詰まって見えるはずなのに、ザーの記憶は穴だらけだったワ。

まるで『誰か』から操作されてるみたいだったヨ~」


 『誰か』からの記憶の操作……?また謎が増えてしまった。

これも赤色の光に関係しているのだろうか。

そして、肝心の能力についても、分からない、か。

でも、この詳しいことを知るためにも『我世』入隊を目指すのだし、今ここまでしか情報が得られそうにないなら仕方がない。

また冒険を続ける中で、真実に迫っていこう。

 今回分かったことは、俺が不死身の存在であることのみ。

それだけだって大きな進歩だ。なんだってそう、何か大きな事柄を成し得たいなら、小さな一歩から積み重ねていく。

そうすれば、いつかきっと『神様』の『答え』にだって辿り着けるはずだ。

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