第6話 飛ノ台貝塚

 飛ノ台貝塚とびのだいかいづかにワタシはやって来た。船橋市海神にある縄文時代早期の貝塚。船橋市指定史跡。同貝塚は1932年(昭和7年)に発見され、日本で初めて炉穴(煮炊きなどを行う簡易な竃のようなもの)が発見されたことで重要な遺跡として注目された。

 1977年(昭和52年)から1993年(平成5年)にかけて4度にわたり行われた発掘調査により、縄文期の集落跡のみならず、旧石器時代、古墳時代の遺跡も見つかった。


 1997年(平成9年)には船橋市の市指定史跡となり、史跡公園として整備された。また、公園に隣接する船橋市飛ノ台史跡公園博物館には、出土品や遺跡を再現したジオラマなどが展示されている。

 貝塚から死体が見つかるってシーンを考えていたら怖くなってきた。

 松尾って人にしろ、小川って人にしろ船橋で死んでる。船橋に住んでいる人間って可能性はあるだろう。


 ワタシはフェイスビルにやって来た。

 船橋駅南口・京成船橋駅北口に位置し、船橋駅南口再開発事業・第一地区として行われた市街地再開発事業で建設された再開発ビルだ。

 飲食店やゲームセンター、ビックカメラ、献血ルーム、わかものハローワークなどがある。

 ワタシは失業中で、相談員にカウンセリングをしてもらった。仕事をする気にはならなかった。集団が怖くなってしまったのだ。

 天童さんに再会したときに鳥肌が立った。

 天童さんはものすごく怖い。怒ると鬼みたくなる。

 小川さん結局助からなかったな?

 

 玉川温泉ってのに入りたかった。コロナの影響で廃業した。

 純和風の老舗割烹旅館として愛され、格式と伝統をもつ旅館である。建物は創業当時からのものであり、本館・第一別館・第二別館の3棟が国の登録有形文化財に登録されている。ただし、全ての部屋が創業当時のものではなく離れの部屋などは近年建てられたものである。


 部屋には「月の光」を模した明かりのデザインを持つアール・デコ調の照明、白い漆喰壁、装飾を排した機能的・実用的・幾何学的なフォルムを様式化した天井など大正ロマンの雰囲気を感じることが出来る特徴がある。


 市内観光ボランティアガイドのディスカバー船橋の協力を得て館内の案内も行っている。

 創業は1921年(大正10年)。建物は事業の拡大に合わせその規模を拡大しており、1929年(昭和4年)に第一別館竣工、1933年(昭和8年)に第二別館、1941年(昭和16年)に本館が増築された。


 第二別館の「桔梗の間」に太宰治が滞在した事でも知られ、前期の傑作「ダス・ゲマイネ」「虚構の春」「狂言の神」の作品がここで書かれた。また、戦前は、稲毛海岸等への東京からのレジャー客や陸軍の士官御用達旅館として利用された。


 2020年(令和2年)、新型コロナウイルスの影響で宴会のキャンセルが相次ぐなどしたことから、4月末で廃業し6月から建物が取り壊されることになった。


 日本温泉協会認定の温泉(泉質)であり、温泉法の温泉(メタ珪酸・メタ硼酸含有)である。


 浴室は大小2つがあり、大きい浴室には隣接して露天風呂も併設されている。大きい浴室と露天風呂は檜風呂、小さい浴室は石風呂でともに敷地内の地下218メートルから湧出する薄茶褐色澄明で療養泉規定に該当しないメタ珪酸・メタ硼酸含有の温泉を加熱掛け流しで利用している。


 温泉の中で美女の死体が浮いてるのを想像した。

『湊温泉殺人事件』

 主人公は織本美苗おりもとみなえって失業中の女性、刑事たちを次々にナイフで刺し殺した。そして、旅館にやって来て、同僚の女性警官の全裸死体を発見する。巨乳で乳首が立ってる。あの、女にしよう。アイツのせいだ、アイツのせいだ、アイツのせいだ。

「榎本さんボーッとして大丈夫ですか?」

 巨乳な相談員に心配された。

「大丈夫です」

 パソコンで検索し、『石橋鉄鋼』ってのを見つけた。事務員か、パソコンなら結構できる。

「ここ受けたいです」

 印刷した紙を相談員に見せた。

 相談員は会社に連絡を取ってくれた。

「8月4日に面接に行ってください」


 安藤は小川の趣味を知った。推理小説を読むことだ。イズレイル・ザングウィルが特に好きらしく、『ビッグボウの殺人』ってのを読んでいたらしい。

 

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船橋殺人事件 鷹山トシキ @1982

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