怪談 女郎蜘蛛
紫 李鳥
怪談 女郎蜘蛛
えー、江戸時代には、吉原という遊郭がありましてね。好みのタイプを見つけるってぇと足しげく通うわけですが。だが、「
・まず「
・二回目が「裏を返す」であり、初回と同様の費用が必要で、花魁との床入りはまだまだで、会話もおざなりだ。
・三回目でようやく「馴染み」になり、客は花魁から相方と認められ、客の名前を呼んだり、くだけた対応をしてくれるわけだが。ここで客は心付けに馴染み金として二両二分 (三十万円)を手渡すのが礼儀とされる。また床入りの祝儀である「
えー、そこに、
そんな時だ。遊郭の
やがて、
するってぇと、透き通るような白い肌に刺青が浮かび上がってきた。そこにあったのは、糸を張った巣の真ん中に身を置く、黄色と黒の縞模様をした実寸大の
「見たでありんすね~?」
背を向けている新珠が突然
「ヒエッ」
びっくりした伊助は
「クックック……」
新珠の不気味な笑い声がした
「うっ! ……うう」
一瞬の出来事に伊助は目を見開いたまま身動きできなかった。じわじわと糸は首を締め付けていた。間もなく、壁にもたれ掛かっていた伊助はぐったりとして息絶えた。蜘蛛は新珠の背中に戻ると動きを止めた。
新珠は素早く身を起こすと、伊助の首から糸をほどき急いで
皆様も、
語り:
怪談 女郎蜘蛛 紫 李鳥 @shiritori
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
カクヨム☆ダイアリー/紫 李鳥
★15 エッセイ・ノンフィクション 連載中 14話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます