ファーストキス
私に素敵な彼が出来た。森田 隆史 30歳
あの日以来、イケメン森田を期待する私をよそに彼はやっぱりどもる。
わたしには一つしたいことがある、それはキスである。カップルの必然ともいえる儀式を私たちは......していない。
「ま 真琴さんっ。」
「はい」
「今日は休みです 僕」
「そうなんですねっ。どうします?どっか行きますか?あ でもお疲れなら家にいましょう」
とこんな調子でなんら会話も変わらない......ですます か?か?である。
「はぁ―――っ」
私は大げさにため息をついてみる。
「う―――――ッ はあ......」
こんどは背伸びも加えてやった。
「ど どうしましたか?真琴さん 眠いですか?」
「いえ。」
「おなかすきましたか?」
「いえ。」
首を傾げ私をじっとみている森田さん。きっと私の思考を読もうとしているの?けれどこれは悪意じゃない。あなたにはわからないはずよ!私がキスを求めているなんてねっ。
あ......もしかして森田さんからすればファーストキス???そうだ。
そんな人に自然なキスなど求めた私がバカであった。
よし、ここは真琴ねぇさんが教えてあげるわ。
私は意を決して森田さんの前に座り込んだ。
「ど どうしましたか?真琴さん」
と私のおでこに手を当てた森田さん.......いや熱とかないですから。
「森田さん、目を閉じてください」
「口は?」
「はい?く 口も閉じておいてください。......と、とりあえずは」
なんなんだよっ 口とか.......おかしいでしょ思考回路。
私は目を閉じた森田さんを見つめた。きれいな顔......小さな顔.......白い顔
自分からこんなことしたことないけど、行くぞ!!
森田さんの唇にチューっとした。
あれ....................。無反応? 私は意地でもまだ唇を離さない。
と、いきなり森田さんの手が私の頭をもち、逆にチュー攻めをしてきたではないか!
「も 森田さん 今の初めてですよね?」
「うん なんか真琴さんが可愛くて もっとしたくなった。もう一回していい?」
え.......イケメン森田さん――――降臨
「う」
森田さんのキスは意外に濃厚であった。
「あれ......ドラマとかで観たようにしたんだけど、やりすぎたかな」
「森田さん.......そのドラマってノーマルでした?エッチなヤツじゃなくて?」
「ぼ......僕はエッチしたことはありません」
「ちょっと それは聞いてませんから!!」
あぁイケメン化はキスの後少しだけか。
私がイケメン森田さんを見たいときは、キスするのが必須らしい。
これから毎日......楽しくなりそうだ。
私は森田さんのきれいな顔とその雰囲気全部大好き。
白猫の時もイケメンの時も。どうか毎日無事に帰ってきますように。
あ、ゆくゆくは親に紹介しないとな.......すでに同棲済みだなんて......。
直前にキスすれば、イケメンで挨拶できるかな。
いや、途中で切れたら?親の前でキスできないわよっ。日本人ですから。
しばらくはイケメンスイッチと白猫スイッチでデレデレしたいと思います。森田さんいつもばったりしてくれてありがとう。
あれ?でもどうしてあんなにばったりしたの?任務中だったのかな悪意の捜査.......。
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おしまい
軽いラブストーリーでしたがまた機会があれば森田さんお仕事バージョンも書きたいと思います。応援ハート♡ありがとうございます。
ばったりくん。美青年には秘密があった。私はあなたのセラピスト。 江戸 清水 @edoseisui
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