凡ミス ※グリー視点

 

※『婚約者が浮気をしているようだ ※リーシャ視点』の後の話

※グリー:ガーレット国の第2王子。色ボケ王子

―――――


 自分に割り振られた執務を放置し最近入れた使用人の女性とことをなした後、執務室を出たところを婚約者のリーシャに見られてしまった。

 すぐにその場から離れてくれたが、それはそれで困る展開だった。出来れば詰め寄るくらいはして欲しかった。ああいった場面での反応はさすがに姉妹なのだな、と場違いな事を考えてしまうくらいに


 ああ、レミリアの時を踏まえなるべく見られないようにと、色々手を回していたというのに失敗してしまった。


 レミリアはこういう場を見ても何をするでもなく見なかった振りをしてはくれていたが、確実に態度には出ていた。正確に言えば俺の近くに寄らなくなったのだが。正直、そういった反応の方がやり辛い。

 何を思っているのか、何をしているのか、姿を見なければ最低限も確認できない。


 もしかしたら俺の気を引こうと行動していたのかもしれないが、今はもうわからないことだし、知ったところで意味もない。


 あのような状況にならないようにと画策していたのだが、レミリアの時よりも酷い形で見つかってしまった。レミリアの時はただ手を繋いでいたところだったからな。


 しかし、近付けないようにとリーシャについている使用人に指示を出していたというのに、使えない者は何処にでも居るのだな。これが俺付きの使用人だったらすぐにでも辞めさせているところだ。


 とりあえず、リーシャの機嫌を取るようなことをしなければならないだろう。


 さらにあの時マリスがリーシャの事を馬鹿にした視線を送ってしまったのは最悪だった。どうして俺が王宮に連れて来る女性はああも性格が攻撃的になってしまうのか。嫉妬深くなるのは可愛いとは思うのだが、他人に見えることろでするのは理解ができない。出来ればもう少し楽しみたかったところだが、マリスは早めに王宮から離した方が良いかもしれないな。

 それをリーシャに知らせて許しを請えばどうにかなるだろうか。


 さらに、あの時のリーシャの顔は明らかに怒っていた。あの場で何もしてこなかったとはいえ、すぐに対応した方が良いだろうな。動くのを後々にすると嫌なことになりそうな気配がある。


「すまないが、マリスを家の方へ戻して来てくれないか? それとリーシャと会う約束を取って来てくれ」


 近くに居る執事にそう指示を出す。出来れば周囲に配置する使用人は全て女性が良いのだが、王族という手前、そうもいかないらしい。


「…………承りました」

「早急に頼む」


 俺の指示を聞いて執事が部屋の外に出て行った。これで問題は無いはずだ。


「グリー様」

「何だ?」


 さっき指示を出したはずの執事が部屋に戻って来ていた。どうやら他の使用人に俺が言ったことをやらせているのだろう。


「日中放置していた書類が残っていますので、寝るまでには片付けておくよう、第1王子からのご指示があります」

「げっ」


 そう言えば面倒だからと放置していた奴があったな。


「……明日やればいいだろう?」


 俺は執事にそう提案する。しかし、執事は首を横に振って提案を却下した。

 この執事は俺の指示に従ってはくれるが、指示の優先順位は第1王子である兄さまの方が上だ。この段階で拒否されたなら、何を言っても無駄な事を俺は知っている。


 仕方ない、やれるだけやろう。どうせ適当にやっても問題ない物しか回されてきていないしな。


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