夜風

くうき

夜風

ポツリと泣いたあの日君と旅に出た

明日死んでしまうってわかったから

無茶言って逃げたんだ

遠い遠い場所に

廻っていた命の鼓動は何処か

寂しく止まろうとしている

涙が流れた

謝罪の言葉が漏れた

叫んだ

生きたいと

ごめんねと

誰にも届かないとわかっても

月に嘆いた

この世で綺麗なものを見たいって

最後に手を合わせて願った

誰も誰もがまだ

見れない世界の片隅にある

イデアを

ノスタルジーを

調和し混沌と化して崩れてしまった

機械の電子音が

静かに途切れるように流れた


手紙に綴った遺書のようなモノ

誰に充てたかもわからず

ただ右手に握りしめた

あの声がいつか戻ってこれるように

歌いたいいつかそう呟いて

笑って怒って喧嘩していた

ありきたりな日常

誰もが望んだ君は

何処か遠いところに

運ばれていった


青かった空が黒く見えて

視界が全部モノクロで

色褪せなくなって

無味無感なこの日々に

サヨナラがしたくなって

じゃあ何を欲して何を願っても

届かない気がして

明日の世界を

見たくなくなって

物語を締めた

誰も分からない

歌が

有名になって

理解されて

批判されて

映画になって

小説になって

誰かを救った

そんな夢物語を

僕は望んでしまったようだ

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夜風 くうき @koooodai

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