ワールド・ワールド

木緑 華

第1話 見たいモノと見たくないモノ

 君がいる世界と君がいない世界

 僕の感情は大きく変わってゆく

 君の存在は大きい。そのことに気づいてしまった僕は、君に依存をする。


 これは、君の中のものがたり


 今日も空は青い。少しだけ雲が見えるけど、それは見なかったことにした。見たいものだけを、僕は選んで視界へ入れる。その方が僕の世界は、きれいだ。期末試験の結果だって、僕には見えない。その世界は、とてつもなく赤そうだ。見たくない。僕の日常は、全て僕の意思で選別してデータに保存される。だから、余計な情報はないし、キャッシュも少ない。新しいミニマリストの形かな。記憶を、ミニマルに、おしゃれだ。人は、僕の生き方に意見する。もっと、広い世界を見なさい。現実を見なさい。逃げるのはやめなさい。そのことをわかっていないわけじゃない。ただ、僕の人生には、不必要と判断されただけ。誰が判断したか。僕に決まってるじゃないか。それだけのこと。



 もっと広い世界を見てみたい。毎日、毎日、同じような生活の繰り返しで、刺激がない。皆無だ。なんのために、自分が存在してるのかわからなくなる。自分の悪いところを知って、改善したくても、情報がないなら成す術がない。一体どうしたらよいものか。自分に訴えかけても、一度形成された「意思」が固すぎて壊せないよ。そんなに力があるわけじゃないんだもの。小さな存在は、相手にもされない。今まで、何度も壊そうと頑張ってみたけど、全部ダメだったんだ。

君が早くボクを見つけてくれないと、ボクは消えてしまうよ。

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