エクスの化身

いずもにひと

第1空 私の体とエクスの化身

辺りはどこを見ても暗闇だった。

暗い海のように広がる夜の闇……。


『また、あの夢⁈』

『また、貴方なの?』

私は目の前に居座る男に問いかける。


『俺は、エクス……』

『もう、あんなに近い……』

まるで、独り言のように呟く。


(えっ? 何が近いって言うの?)

(貴方は何者⁈)


『イヒヒィィィィ……!!』


エクスと名乗る謎の男がその暗闇に響くように高々と笑う。


(ああ…なんて気味が悪い笑い方……)



その瞬間、私は炎に包まれる。

暴れ狂うカラスのような獣が、炎から飛び出してくる。


……。


パッと目が開いた。


ハァハゥ…ハァハゥ…。


心臓の鼓動が波打つように聞こえてくる。

(また、あの夢か。一体、なんなの⁈)


朝から本当に『最悪だ……』



















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エクスの化身 いずもにひと @izumo1228

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ