第2話

《ルビを入力…》 次に目覚めた時には、どこかの路地裏にいた。雰囲気からして、どうやら転生は成功しているらしい。服装も学ランから木綿でできた質素な服とスカーフだけになっている。気温はちょうど良く、居心地がいい。

(せっかくの二度目の人生の門出だ。のんびりしよう。)

 そう思っていた矢先…………グゥゥゥー、と腹が鳴った。とりあえずどこか飯の食えるところで腹ごしらえからか。


 路地裏を出ると、そこは元の世界の東京とか大阪とかほどではないものの、そこそこ賑わっている大通りだった。

(さあて、飯を売ってそうなところは……と、あそこか。)

皿のマークが掲げられた、いかにも飲食店っぽいお店を発見した。さっそく入ってみると、中はどちらかというと酒場のような雰囲気で、呑む方がメインといった感じだった。店内の声やら看板から推測するに、どうやら言葉はそのままらしい。

 「いらっしゃいませー!」

ウェイターのような立ち位置なのだろうか、なんか小間使いみたいな服装の人が席に案内してくれた。

「ご注文はお決まりでしょうかー?」

「いえ、えーっと……」

まず何があるのかは知らないので、とりあえずハンバーグが食べたいのでハンバーグと言ってみたところ……

「はい、ハンバーグですね。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

……あった。だがこの瞬間、カノンに電流走る。

(ッッ!金が!財布がポケットに無いッッ!!)

「どうされました?」

「あのー、お金忘れちゃったみたいで……」

そう言うと、ウェイターの人はため息をついて、

「最近、そう言う人よくいるんですよねー……。もう、ちゃんと持ってきてから来てください!」

そう言われると背中を押されて店から追い出されてしまった。

(これは仕方ない。どこか働き口を探すか?)そう思いつつ大きなため息をついた。


 いろいろな店に声をかけてみたものの、働き口はないらしく、得られたのは空腹だけだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

神様のスキルで異世界転生! 獅子鮫 @shishizame

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る