罪を犯したくなったら、このスイッチを押してください

罪を犯したくなったら、このスイッチを押してください

「罪を犯したくなったら、このスイッチを押してください」

政府によって、そんなスイッチが配布された。

そのスイッチは押した人の脳波を読み取り、これから行おうとしていることをリアルな映像で目の前に表示してくれるのだ。

痴漢、窃盗、果ては殺人や銀行強盗まで、罪を犯す醜い自分の姿を見せることで犯罪行為を踏み留まらせようという狙いだった。

しかし実際には、それは犯行のシミュレーションやブラッシュアップに利用され、犯罪件数はかえって増えてしまった。