第6話
シャワシャワと鳴く蝉の声がうるさい。
2人の女子高生がテラスでパソコンのキーボードを叩いている。明るい陽射しの下、食べ終わった皿をよけ、手を動かしながらも会話を続ける。1人は小柄でボサボサの髪をしていた。もう1人は背が高い、ポニーテールの少女だった。
「次はどれを食べようかな。ぐへへへ」
「さっき食べたばかりだろ」
「だって、蓮ちゃんからの依頼報酬だもん。『スイーツ食べ放題』。結構大変だったんだよ。ウィルスの作成、蜂のモデリングに、痛覚再現、カクカクボディに、数えだしたらキリがない。円上くん大丈夫かな。途中はともかく、最後の一撃は、痛かったんじゃない?あ、店員さ〜んモンブラン追加で」
友人の底なしの胃袋に引きつった笑顔を浮かべ、最後にはため息をつく。
「破産しそうだな。僕は。店舗を指定するべきだった。あのあと、電話があったよ。殺す気かってね。おい、きみは遠慮と言うものがないのか?ショートケーキもさっき頼んでたじゃないか」
「いいじゃん。蓮ちゃんは『デッド・ワン』で稼ぎまくってるじゃん」
「あれは学費の為に貯めているんだ。君もトップランカーの1人なんだから金はあるだろ」
「ん?私は食費で消えてるよ?」
事も無げにいう。ポニーテールの彼女は首を傾げていた。
「化け物胃袋め。太るぞ」
「私は動くからね。蓮ちゃんは案外ロマンチックだったね」
「まぁ、会えたらいいなとは、思っていたが」
「またまた~。結構必死だったくせに」
「う、うるさい」
彼女の一言に、顔を真っ赤にすし、荒々しくパソコンを閉じた彼女は鼻息荒く言う。
「今から彼と会ってくる。僕も報酬を貰わないとな」
「なんでも言うことを聞いてもらうだっけ?」
「ふふふ。何をしてもらおうか?椅子?机?本棚っていうのもいいな」
「なんで、家具なんだよ。怖いよ。最近キャラに引っ張られてない?部屋を片付けてもらえ、あの部屋を」
「おぉ!それは名案だな。」
「あ、円上くん、ごめん、ご愁傷さま」
「さぁ、そうと決まれば、さっそく行動開始だ」
「あ、モンブラン~」
手をひく彼女の笑顔がまぶしい。夏の太陽に負けないくらいに
インターネット・ホーネット〜毒針彼女はVRMMOで恋したい〜 お花畑ラブ子 @sonic0227
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