第3話 真犯人
市役所を去ると、立川市内にある玉川上水にやって来た。せせらぎの音に汗が引っ込む。
かつて江戸市中へ飲料水を供給していた上水(上水道として利用される溝渠)であり、江戸の六上水の一つである。1653年(承応2年)に多摩の羽村から四谷までの高低差92.3メートルの間に全長42.74キロメートルが築かれた。また、一部区間は、現在でも東京都水道局の現役の水道施設として活用されている。
「織江ちゃんとは結婚するんだろ?」
鈴江は唐突に言った。
「何だよ急に?」
「俺もそろそろいい年だからさ?身を固めないとと思ってるんだ」
そのとき鈴江の無線が鳴り始めた。
「はい、鈴江です。あっ、関課長。えっ?殺しですか?でも、俺非番ですよ。え?牧原さんが?わっ、分かりました」
嫌な予感がする。
「悪いな?仕事が出来ちまった。牧原って先輩がいるんだけど、子供が熱を出してしまったようだ」
「代打ってことか?」
「ああ」
市役所から出ると、般若の面をかぶった男が回転地獄五輪をかけてきた。アマレスの
特に回転地獄五輪パート0はキツかった。
スタンディング肩固めから裏投げのように相手を投げて、グラウンドでフォールの体勢に入る。相手が返すと首を反らせる変型の肩固めに移行する。
相手は武器を持っているわけじゃないし、銃で反撃するのは理不尽だ。安藤は護身用として銃を常に携帯してる。
猫のゾンビが現れて般若男を追いかけ回した。
安藤はそのすきに逃げた。ザザザザッ💨
大日堂境域ってところに安藤はやって来た。真っ赤なお寺だ。1573年(天正元年)、滝山城主・北城氏照の家臣、石川土佐守の一族が再建したと伝えられてる。
ナイフを持った狼の仮面をかぶった奴がこちらに向かって来た。
安藤は刺客に刺された。目からドス黒い血を流した。
「大丈夫ですかぁ!?」
屈強そうな男が駆け寄ってきた。
刺客は男を突き刺した。断末魔が響く。
「安藤!松山さーん!!」
鈴江が駆けつけたときは刺客の姿は見えなくなっていた。
刺された男は鈴江によれば、
「もしかしたら、さっきの奴が柿谷のことも……」
鈴江は呟いた。
「大丈夫ですかぁ!?」
声がしたので鈴江は振り返った。
彼は
おねいの井戸と呼ばれる場所だ。室町時代末期、北条家家臣・石川土佐守が大日堂に娘の眼病が治ることを祈り、井戸の水で眼を洗ったら回復したとのことだ。
オネエになっちゃうんじゃ?と、安藤はビクビクしたがみるみるうちに光を取り戻した。
捜査会議に安藤も参加した。
松山が息を引き取ったのことだ。
「亡くなった松山の分まで頑張ろう」
雛壇の上の七三分けの関が力強く言った。
石川酒造という白壁の前で誰かが倒れていると、通報があった。
安藤は鈴江と覆面パトカーで向かった。
そいつは般若の面をかぶっていた。
背中にボーガンが突き刺さっている。
鈴江が面を外した。
中村は5人殺せば魔法を覚えることが出来るって言い伝えを信じ、柿谷達を殺した。
中村は柿谷の会社の派遣社員だったが、派遣切りに遭った。万引きなんてしないのに犯人扱いされて犬たちに恨みを持っていた。
般若の面の男は、派遣社員の
中村は青梅にやって来た。赤塚不二夫縁の地で、駅にはイヤミやおそ松くんのポスターが描かれていた。
病気は猫の鬼、
猫鬼を倒せばコロナも収まるかも知れない。
安藤や鈴江は中村を追って
中村はボーガンを鈴江や神尾に向けて発射した。
中村は印刷屋のあと神尾の助手として働いていたが、用済みとなった。
2人とも肩から血を流していた。
中村は体が熱くなるのを感じた。
安藤が銃を撃ったのだった。
「あの世で反省するんだな」
鈴江も神尾も命に別条はなかった。
安藤は巡査部長から警部補に昇進した。
西多摩殺人事件 鷹山トシキ @1982
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