第4話【夏と夢と匙と】 作:天の座標
╲桜羽高校、4番、バッター西川╱
解説者「きたぁ!ここで4番!西川の登場だぁぁぁ!!!2アウト満塁!百合高校は守りで奇跡を起こし、表へと繋ぐことができるのか!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
A男「俺も生まれるのが1年遅ければあの舞台に立てたかもしれないのに…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
A男「オーライ!オーライ!(パンッ)オッケー!」
うん。今日もいい練習になった!あとは夏の甲子園にむけて、強豪校の試合を分析するぞ。
A母「りゅうじー!まーだ動画見てるのー?早くご飯食べてよ。食器が片付けられないじゃない」
A男「ごめんけどもうちょっと待ってー!」
A母「本当あの子ったら。お父さんに似て1回夢中になっちゃうと止まらないんだから」
A男「今日はさ、匙高のピッチャーの分析したんだ!あいつのフォークの投げ方、いや、投げ方っていうか握り方かな?普通とは違ってボールの縫い目にガッツリ指を沿わせてんだよ。俺もあの投手を真似して三振いっぱいとって有名になってやる(笑)」
A母「練習したあとにそんな元気なの、あなたくらいよ(笑)はやく食べちゃいなさい」
A男「へいへい。あ、母さん!もう冬服から夏服に替えてて!」
A母「は?まだ1月よ?馬鹿じゃないの?」
A男「馬鹿って言うなよ(笑)朝はトレーニングするし、部活前にも少し、筋トレするしさぁ。冬服じゃ暑いんだよ」
A母「まぁ、あなたが言うならそうするけど、風邪ひいて試合に出れませんでした〜、とかならないでね(笑)甲子園の前に春の選抜があるんだから!そこでレギュラーとらないと意味無いわよ!」
A男「っせーなぁ。馬鹿だから風邪ひきませ〜ん(笑)」
・・・・・・
『2020年3月、新型コロナウィルス感染拡大防止策として政府より不要不急の外出の自粛に関して要請が発表されました。それに伴い、予定されていました第92回選抜高等学校野球大会の中止を決定し…』
A男「は…?嘘だろ…?え…?春の選抜が中止!?地方大会すらないって…待てよ…ちょ、待てよ!!!」
・・・・・・
『2020年5月、春の選抜大会に引き続き、夏の甲子園が中止になった事例は高校野球史上初めてのことで…』
A母「あの子…大丈夫かしら…かける言葉が見つからないわ…」
扉 ╲バーーーーーーンッ!╱
A男「母さん!決めた!俺、決めたよ!フォークの練習ばっかりしてたけど、甲子園は無くなったし!俺…俺…spoonを投げるよ!!!!」
A母「…とりあえず元気になったみたいね。よかったわ」
終
・・・・・・・・・・・・
某配信アプリに基づくシナリオになり、知っている方々にしか伝わらないですが…
ここまで読んで頂きました皆様には特大のチッスを差し上げます。
ありがとうございました。
声劇 『 夏 』 Spoonリレー小説・声劇部 @shosetubu2021
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます