3-C 『わがままなうたへうたえとあなたこそが私に教えてくれたのだから』
一曲目、『ラッシュ!!』。
二曲目、『星の忘れ物』。
ここまでは、歌奈の関わった曲。そして、二曲目が終わったとき、しんみりとした空気がメンバーに流れる。
「ええと、『星の忘れ物』でしたー!」
「――どうする? 私でもいい?」
「……うん!」
スポットライトと共に、視線が集まる。
「二曲目が歌奈ちゃんの作詞だったんですけど、三曲目は私と、実は色んな人にサポートして
『おおっ』と期待の声が上がる。
「でも、一番伝えたいメッセージは、私の一番得意な形で、歌奈ちゃんに送りたくて」
「えっ……」
「こんなに自分の気持ちを出したことがなくて、でも、こうやって
興味を示した観客の声が
「『わがままな うたへうたえと あなたこそが 私に教えて くれたのだから』――。最後の曲、『うたへうたえ』。よろしくお願いします」
ぽろぽろと
――わがままな うたへうたえと
分けてほしくて私も
歌いたくてこの歌を送るよ
――今なら、思い切り歌える。
体まで
照明が
どれだけの仮歌詞をゴミ箱に捨てただろうか。
ブラック派の
そして、歌奈は――。
――ありがとう これからも よろしくね
全員で最後の音を
「……もー! ずるいよぉ……!!」
「ごめん、でも、ほんとに――」
――大好きだから。
***
その日の日記に、バンドメンバーが寄せ書きをくれた。
『姉貴が当ててたペアチケット、
『↑現地のおみやげリサーチしといたから、メッセージ送るね
『みんなグルだったの?! おみやげあげるもんかー!! 歌奈』
そのやりとりにくすくす笑いながら、静かに日記を閉じて、ぐっと
『見つめあい支えあっても足りないの
―完―
うたへうたえ うらひと @Urahito_Soluton
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