第48話

【戦闘】

【勝利条件】アレストを断頭台へ連れて行く

【敗北条件】ルイス、またはアレストの敗走



【戦闘後】


アレストが断頭台に着く。

ラパポーツ公の姿はまだ見えない。

「……」

断頭台からは騎士団と砂の賊がたたかっているのが見えた。高い。ルイスの足が震える。

「ふふふ、怖いのか?」

「少し」

「これはいわゆる吊り橋効果っていうやつじゃないか?俺たちの仲は深まりそうだねェ……」

今からしぬというのにそんなことを、と何度目かの感想を抱く。

「ラパポーツ公、逃げた?」

「いや、スティール公が向こうに見えるぜ。あいつだけ残して逃げるとは思えない。

シャフマの男は義理堅いからねェ……」

アレストが顎に指を当てて目を細める。前屈みになって、断頭台から身を乗り出している。

(危ない……)

「ん?なんだよ、その目は。危なっかしいとでも思っているのか?ふふふふふ……こんな経験、もうできないだろうからはしゃいじまうのさ」

断頭台で自ら命を絶つ人なんてそうそういないと思うが。

「ここでしぬのは俺が2人目か」

アレストが下を見ながら言う。

「1人目はその剣を創って初代王子サマをころそうとした従者……。メ……とラパポーツ公の御先祖サンだな。永遠の呪いを断ち切ろうとしたことが重罪だとしてここでころされた」

「ラパポーツ公は、その先祖の行いを恥じているんだろうねェ……砂時計を否定するなどあってはならない、と。だから新しい砂時計を創ろうとした……」

「そこまでして永遠を手に入れたい。それも、正義さ。俺たちと同じくらいの正義なのさ」

(アレストは、敵の考えを正義だと思っている……)

「俺たちだって正義を突き通すための犠牲は0じゃなかったさ。そうだろう?向こうの方が多いってだけで……。

ま、何が言いたいかっていうとだねェ……」

アレストがルイスの赤い瞳を見つめる。

「これは正義と正義のぶつかり合いなのさ。だから、卑怯なことはしたくない。俺はあいつを待つと決めたから待つさ」

剣を手に入れてからもしななかったのは、アレストなりの敵への敬意だった。

「くくく……あいつらの吠え面が楽しみだぜ……」

(……それだけじゃないみたいだけど)



「ボク、ここがペルピシ議会場だよ」

ペルピシ地区にドラゴンが一匹着陸した。

「はあっ、はあっ!!着いた!!」

震える足を抑えて一人の少年が目の前の景色を睨む。

(もう乱戦になっちまってる!)

「い、行くのか?たたかってるみたいだけど」

「行く。おじさん、送ってくれてありがとな。ちょっと怖かったけど助かったぜ!

……よし!アレストのところに、急がねぇと!!!」

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