第3話 沙優は積極的に男を誘っていたのか?
あくまで私の解釈であり、解釈は読者それぞれで違う解釈があることを念頭に読んでください。
二次創作を執筆するにあたり、私が採用した解釈というご理解をお願い致します。
https://kakuyomu.jp/works/16816452221235522440/episodes/16816452221266379004
今回は第3話 宿代 前編からの分析です。
<沙優は積極的に男を誘っていたのか?>
沙優は取引条件として自らの身体を提示していましたが、それを積極的に行っていたかどうかは、原作では沙優からの説明は全くありません。
これが書籍化前のカクヨム版になると、積極的に誘っており、自身の綺麗な身体を嫌悪していることが触れられています。逆にアニメ版は、知らない男たちとの行為は嫌だったと最後の最後で語ります。
この違いは何なのか――
カクヨム版の自分の身体を嫌うという心理状態は、背景に暴行や性的虐待があった場合によく生じます。そして暴行よりも身近な人間による性的虐待のほうが被害件数的に多いことを考えると、この物語は兄からの性的暴行という変な方向に話を進まざるを得ず、ライトノベルとしての枠を超えていきます。
そういうこともあって、沙優は自分の身体を嫌っており、自分の身体を貶めるために男を誘っていた、という設定を捨てたのだと思います。
沙優は吉田に対して不思議な人だと思っており、数日後にはどうにかなる(行為を求める)だろうと原作1巻 209頁に書かれています。ここでの「数日後」とは、出会った当時の感想の意味ということが、地の文から分かります。
繰り返しますが、沙優は吉田がベッドで寝ている姿を見ながら「数日後には求められる」と思っている一方で、不思議な人だとも思っていたことが分かるわけです。
この今までの男の人とは違うという不思議さにより、沙優は吉田を試したくなり、吉田を何度も誘うことに繋がったのだと思います。また沙優は男に抱かれることで自身の存在価値を見出していたことから、吉田に対しては「抱かれたいわけじゃないけど、抱かれてもいい」というところまでハードルは下がっていたと思われます。
だから「慰めてあげよっか」と言ったのではないかと思うのです。
ただ、この解釈は他にも考えられます。前日は夜が遅かったので再度交換条件を提示しただけという解釈もありますし、このときから既に吉田を試しに行っているという解釈も成り立ちます。
明らかに沙優が吉田を試していると分かるのは「触れないHカップより、触れるFカップの方がよくない?」からです。
これは後藤さんに対抗意識を持った言葉ですが、この時点で吉田のことが好きとはとても言えないですし、女として負けていることが悔しくて誘っているという解釈も行為が嫌々だった説からして不自然です。
沙優が吉田に抱かれる気が無かったことは、吉田が沙優の肩を掴み引き離した際に、沙優が驚いていることからも分かります。アニメでは「抱かれる気は無かった」という説に立っていると思われます。ただアニメは、沙優は吉田に胸をぐいぐい押し付け、かなり誘っていますのでこれはやりすぎとは思いますが。
以上より、沙優の誘惑は吉田だから行われたものであって、他の男の人たちに対しては行っていないであろうことが推測されます。
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