第25話続・入学試験


「お、俺落ちるかも。」

あれで落ちなかったら、逆に入学試験の意味がないだろう。一つも埋められてなかったぞ。

「面接と実技で頑張るしかないですね。」

あとは、一科目ごとの合格点がついてないことと、合格点があまり高くないこと。そ

れを全力で祈っとけ。


次は実技だった。マーカスはめっちゃ生き生きとしている。

「楽しそうだなあ。」

「頑張ればなんとかなりますからねえ。」

マーカスの右手でボールをガシッとつかみ、それを放り投げる。

「飛んでくなあ。」

「地面につくんですかね。」

そのまま、壁にすごい勢いでぶつかった。

「はー、すごいな。」

「何m飛びましたかね。」


そんな勢いで、試験は続いていく。

しかし、、、マーカスは頭が良くない。身体能力が、、、ゴリラだし。

「まるで脳筋ですね。」

レイ、それを言っちゃうんですか。

レイと俺の身体能力は同じぐらいだ。多分、中の中か、中の上、中の下。つまりド平均。

おそらく、マーカスは満点を取って。実技を終わらせた。


次は面接だった。部屋に案内される。

「いやー。すいませんねえ。おたくのお気に入りの子だと知りませんで。」

「いえいえ。こいつらが悪いんですよ。」

そういって、俺の背中をたたくコナーだった。

「すいません、ちょっとお説教をしますので。外で四人で話させていただけないでしょうか?」

「どうぞどうぞ。」

つられるようにして、外に出た。

「おい、どういうことだ。この学校に呼ばれてみたら、、、お前らが入学試験を受けてると来た。」

「マーカスが学校に入りたいっていうからな。つまり、そういうことだ。」

「いや、それで終わらそうとするなよ。」

「適当に流してくれれば、俺がどうにかするから。というか、君偉くなってんだね。あの人の態度が180度違うよ。」

「んな無茶な。」

「ほら、早くしないとあの人が怪しむよ。」

「ちょ、待てよ。」

面接官は怪訝な顔をして、厳格に椅子に座っていた。

「では、お三方の面接を始めさせていただきます。」

「お願いいたします。」

「では、レオさんから。」

俺が一歩前に出る。

「彼を推薦した理由は?」

頼むぞ、うまく口裏を合わせてくれよ。

「レオはですね。頭脳明晰でありますが、今まで商人としての教育しか施しておりません。そういう面では、優秀なのですが。今の彼に欠けているのは、柔軟な思考と教養。そして、心技体すべてそろっている素晴らしい友人たちであります。それを、学ばせ、獲得することができるのは。文武両道、臥薪嘗胆。それを目標に掲げ、世界一の教育機関と名高い子の学園しかないと確信しております。」

隣で、爆笑してしまいそうになった。八割方嘘、というか全部嘘まみれじゃないか。しかも、学校を上げておくのも忘れない。商人としてのスキルがまた上がってないか。

「お、おお。素晴らしいお褒めの言葉をいただき、大変光栄でございます。」

面接官も必死に隠そうとはしているが、まんざらでもない顔をしている。

「レオ君は、どうかな。なんで入りたいのかな。」

お、今度はこっちに振ってくるか。

「商人として、自分は絶対的な自信を持っています。しかし、コナー商会の次期後継者として、ここで満足するわけにはいきません。人間として、この素晴らしい学校

でさらに成長していきたいと思っています。」

これぐらいが妥当だろうか。ちょっと乗ってしまって、余計な設定が付け加り、コナ-がこっちを変な目で見つめているが気にしない気にしない。面接官は、感動しているし。

「で、では次はマーカスさんについて、お聞きします。」

さあ、鬼門はこれからだ。

「マーカスは、少し純粋すぎることがあります。あまりに優しすぎるのです。そして、頭を使うことが苦手です。が、彼の神髄はその身体能力にあります。戦闘での技術抜きで、つまり単純な体の強さで彼に勝る人間を私は見たことがありません。私は、彼にこの学園で自分の長所をさらに伸ばしてもらうとともに、最低限の教養を身に着けてもらいたいと思っています。」

いいパスだ。これなら、マーカスも続けやすい。

「では、マーカス君自身はどう思っているのかな。」

「は、はい!!!自分は、この学園を存分に楽しみ、勉強も運動も頑張りたいです!!!」

悪くない、悪くないが。面接官は、無表情だぞ。

「では、最後にレイ君。」

ここで、コナーの言葉が詰まった。あ、そりゃそうだ。アイツは、レイのこと何も知らないから。何も話しようがない。

「れ、レイは。」

面接官が眉を顰め始めた。

「僕は、将来官僚になりたい。」

レイが話始める。

「急に初めて、すみません。でもこれは自分の夢なので。僕は、この国を変えたいと思っています。謎の犯罪組織が闊歩し、それを見過ごす。謎の非合法薬が出回ってもだれも手をさせない。そんな、国じゃいけない。王も近頃そういう方針になっていると聞きます。僕は、その王についていきたい。」

お、おお。そう語る彼の顔はいつになく輝いていたのだ。


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