第24話学校

「なあ、学校にいるのって何歳ぐらいから何歳までなんだ?」

マーカスがそれを聞いたのは突然だった。

「学校、行きたいんですか?」

「まあ、多分5歳ぐらいから24歳ぐらいまでじゃないか?」

町の名で見かける学生は、それぐらいの年齢だ。

「じゃあ、俺たちは19歳だから別に入れないわけじゃないのか、、、、」

外を羨ましそうに見ている。

「学校。行きたいんだったら、行ってもいいんじゃないのか?別にお金がないというわけじゃないでしょ。」

「はー。わかってませんね、レオさん。」

横槍を入れられる。お、やんのか?

「学校なんて言ってるのは大体が貴族だとか、親が金持ちのやつばっかりです。冒険者だと入るのは難しいでしょうね。」

なるほど。確かに、そんな場所には入りずらいな。

「そ、そうか。」

明らかに落ち込んでるじゃねえか。慰めろ、と目でレイにメッセージを送る。

「え、あ、そういう。ま、まあ頑張れば入れないなんてことはないんじゃないでしょうか。」

下手かいな。

「学校、一回でも通ってみたかったんだけどな。」

「別に、貴族が通うやつじゃないやつはないのか?」

「ああ、其れならありますけど。大体、18歳で終わりでしょうね。」

だめじゃねえか。

「学校って、別にレオさんが想像してるような感じじゃないと思いますよ。少なくとも、あそこは。」

それでも納得いかなそうだ。

「はー。わかりました、わかりましたよ。一回学校に入れないか行ってみましょう。レオさんも支度してください。」

え、俺もなん。

「当たり前じゃないですか?パーティーで行きたいってことなんでしょう?」


学校は、ローマンの郊外にあった。もちろん、来るのにも金がかかったし。時間もかかったよ。

「だめです。うちの学園は、少なくとも保護者がいないと入れません。」

門前払いを食らってるけど。

「そ、そこを何とか。」

わざわざここまで来たんだ。何とか、学校の構内には入りたいな。

「だから、君たちのようなどこの馬の骨ともわからないような奴は高潔なうちの学園には入学させるわけにはいかないといってるじゃないか!!!!せめて正装を着てこい!!!!!」

それは確かに。なんとかならないか、レイ。小声で頼む。

「なんとかって、どうしようもないですよ。どっかの貴族にパイプでもあれば。そんなものはないでしょ。」

「ちっ。どっかの貴族に難癖付けとくか?」

いや、ちょっと待て。商人でもいいんだったらもしかしたら。

「じゃあ、連れてくるんで待っててくださいね。」

「もちろん、連れてくるだけじゃだめだからな。きちんと高潔な人でないと。」


「連れてくる、って。誰連れてくるんですか?」

いや、だれも。

「「?」」

「べつに、知り合いとか言えばいいだろうが。お偉いさんの知り合いだと分かれば、雑にはあつかえねえだろ。」

「それはそうだな。」

「で、でも。どこの知り合いっていうんですか?」

それはお楽しみだ。


「結局、三人だけじゃねえか。ほら、帰れ帰れ。お前らを入れるわけにはいかないんだよ。」

「実は、さっきまで言うのを忘れてしまっていたんですが。というところに紹介をしてもらってるんです。」

コナー商会。あんだけ、もうかっているとしたらこの都心まで名前を知られていないということはないはずだ。

「コナー商会??コナー商会、コナー商会。どこかで聞いたことがあるような、、、、、しかし、、、、、君たちそこの子供かい?」

痛いところを突かれた。ここで、嘘を言ってばれたらまずいが。

「いえ、違いますが。学業優秀のため、入ったらいいだろうと言われました。必要なら、推薦状も用意すると。」

まったくの出まかせである。後ろで、レイとマーカスが信じられないものを見る目で見てきていた。おれも、こんなにポンポン出まかせが出る自分にびっくりしてるよ。

「な、なるほど。ちょっと待ってくれ。」

態度が軟化してきた。まあ、今までただの不審者だったからな。もうしわけない。

慌ただしく、学校の中に入って、いろいろと話している。さっきの人は立派に出ているお腹を揺らして、小走りでやってきた。

「君達、学校の中に入り給え。」


さて、大手を振って学校の中に立ち入ることができたはいいが。俺たち、いや。マーカスははいま、大ピンチである。

「君たちの身元を、今から確認してくるよ。どうせ、入学が決まっても受けることになるから入学試験。受けといてね。」

といわれ、安心したのもつかの間すぐにテストを受けることとなった。

さて、どうするか。別に、自分の心配はしていない。本も脱出してから湯水のように読んできたし。知識だけの問題はほとんど落としていない。だが、、、マーカスは。本を読んだことがないみたいだし。紙を配られて、必死に読んでいると思ったらすぐに寝てしまった。隣ですぐに問題を解いて、寝ているレイとは真逆である。あと三十分もあるから、どうにかして解かせないと。消しゴムをマーカスの方向に間違えて飛ばしたように見せかける。、、、起きないな。

「試験終了!!!!!!」

マーカスは、真っ青な顔で試験用紙を渡していた。

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