あとがき



 みなさんこんにちは、KMTです。まずは『七つ星ロマンティック』を読んでくださりありがとうございました。これまで数多くの長編小説を書いてきましたが、本作で6作目となります。ここまで書き続けているなんて、自分でも夢のようです。


 流石にこれだけ完結作を重ねてきたら、もう小説を書くのにも慣れてきただろうと思われるかもしれませんが、実はそうではないんですよね。Twitterで仲良くさせてるフォロワーさんの作品を読んでみると、全然僕より物語が面白くて文章力も高い方なんて何千人と存在します。つまり僕はまだまだ未熟なのです。

 6作も完結させたからと言って調子に乗るわけにはいかず、これからも謙虚に作品作りに取り組まなければいけません。満足せず、より一層優れた作品を生み出すことを追い求めるのです。




 さて、前作の『幸せの旅路』のあとがきでも語りましたが、僕は作品を製作する際にアイデア出しに最低半年は費やしています(長編作品に限る)。前作の連載が順調に進み、完結の目処が立った頃から本作のプロットの製作を進めてました。


 本作の連載中に多くの作家さんと交流する機会があって、色々とタメになる話を聞かせてもらったのですが、やはり物語の始まりと終わりだけを決めて、中盤は書きながら考えるといった方法を行っている方が多いみたいですね。僕のやり方と少し違います。


 僕は連載する前から物語の最初から最後までの一連の流れを、一つも穴が空くことがないように全てこと細やかに決めています。連載中に次の展開に困らないようにするためです。

 あ、だからと言って前者のやり方を否定しているわけではありませんよ。僕のやり方が正しいとは限りませんし、人それぞれ書きやすい方法を試してみるべきだと思っています。


 とにかく、本作の連載も順調に進み、無事完結まで突っ走ることができました。応援してくださったみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。




 続いて本作のテーマについてです。長編作品はできるだけ『ただ面白そうだと思ったから』という曖昧な理由で書きたくはないので、物語を通して読者に伝えたい特別な思いを作品に込めるようにしています。

 従来の『愛する者のために、人はどこまで本気になれるか』『誰かを愛することの大切さ』に加え、本作はやはり『性別や個性に対する偏見に見舞われながらも、自分らしく生きていくことの大切さ』があると思います。


 ここだけの話、僕は自分の性別に違和感を抱きながら生きています。体は男性でも、精神は女性寄りです。本作の主人公の星君と少し似ていますよね。彼も僕自身をモデルにしてキャラ設定を行いました。


 Twitterでもお話ししましたね。性同一性障害とまではいきませんが、自分の今の性別が間違っているのではないかと思ってしまうことが多々あります。ちぐはぐな心と体で生きています。

 この世界にも同じ思いを抱える方はたくさんいます。そして、人間の個性を否定するような偏見が多く蔓延っています。男だから泣くなとか、女だからおしとやかにしろとか、聞いているだけで頭痛がしてきます。


 本作の星君や七瀬ちゃんも、似たような思いを抱えながら生きています。特に七瀬ちゃんは顕著に出てましたよね。二人は小学生の頃からの幼なじみでしたが、高校生になって互いの性差が大きく現れたことに驚いていました。

 もどかしいことですが、残念ながら性差というものには抗えません。人間が男と女で生物学的に分けられていて、それぞれ力や考え方に差が現れてしまうのが現実です。


 しかし、そんな抗えない現実に苛まれながらも、自分のコンプレックスやトラウマと必死に戦い、恋を通して人間として少しずつ成長していく二人の姿に、どこか僕達と通ずる感情が芽生えたのではないでしょうか。

 ぜひ、二人の物語に共感したり、人生における大切なことに気付いてもらえたら幸いです。僕も度々感情移入しながら執筆を楽しませていただきました。




 僕の長編作品は毎回恋愛とファンタジーを混合した特殊な作風です。気付いた方がいるかは分かりませんが、本作は若干恋愛要素に重点を置いてみました。

 ファンタジー要素は4作目の『世界で一番大きなごめんね』の死後の世界(天界)を使い回ししてしまったり、願いの能力を使用したタイミングがかなりバラけていたりなど、少々課題は残りましたね。


 毎回ファンタジー要素を凝ったものにしようと頑張って考えているのですが、考えれば考える度に本来一番大切にすべき『恋愛』面をおろそかにしているのではないかとも思いました。

 今回は恋敵を交えた白熱した思い人の取り合いや、どうしても相手に好きな思いを伝えられなくて葛藤する様などを描きました。恋愛とファンタジーでうまくバランスを取れたでしょうか。

 どれだけ作品作りを頑張ったつもりでも、結局うまく書けたかどうかは読者の感想次第なので、どうかお聞かせください。みなさんの感想が励みになります。どうかよろしくお願い致します。




 連載中はSNS等で人間関係のトラブルが多々発生し、落ち込むことが何度もありました。その度に創作にも力を入れられなくなり、自信が持てなくなってしまいました。

 それでも多くの心優しい方々の励ましのおかげで、勇気付けられて乗り越えることができました。本作の応援までしてくださって、何から何までもらってばっかりで申し訳ないです。これから精一杯のお返しをさせていただきたいです。




 本作を完結させられた余韻に浸りたいところですが、早くも次回の長編作品の製作に取りかからなくてはいけません。書きたい物語が多すぎて、どれを手掛けたらいいのかという悩みを抱えています。

 いっそのこと、次回は長編を複数同時に連載してみるか……いやダメだ。掛け持ちなんてできる気がしない……(笑)。


 作品を重ねる度に、最高傑作の記録を塗り替えていかなければいけません。本作を超える素晴らしい作品が書けるように、毎日試行錯誤の繰り返しです。もし、いいアイデアがある方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。参考にさせていただきます。




 今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。これからもみなさんの心に残るような傑作を生み出せるよう、精一杯努力を重ねて参ります。ぜひ次回作にご期待くださいね。どうかこれからもKMTの作品を、ご愛読よろしくお願い致します。



KMT


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