スーパーヒロインVS恐怖のサメヴィラン~究極の戦い~

MrR

地球を懸けた超決戦

 スーパーヒロインジャスティアーナ。

 白い肌にフィットした青いスーツと上からプロテクターを身に纏い、金髪のボブカットで赤いアイマスクを付けている。

 空を飛び、とんでもない怪力で様々なスーパーパワーを持つ彼女は様々なヴィラントと戦い、世界の平和を守ってきた。


 そんな彼女を快く思わないのがDrジョーズ。

 彼はサメヴィランを作り世界征服を狙う頭がおか・・・・・悪の天才科学者である。


「で? それがアンタだと?」


「そうだ、ジャスティアーナ。ここなら誰の邪魔も入るまい」


 などとゆるキャラチックでちょっと可愛い二足歩行のサメがジャスティアーナの眼前に立ち塞がっていた。


 場所は海に面した平野。

 人気もどこにもない。


 こんなゆるキャラに私が倒せるのかとジャスティアーナは馬鹿にされたように思った。


「最初から全力で行くぞ――」


 身体全身にサメヴィランは力を入れ始める。

 すると地響きが起き、大気が荒れ、凄まじい超パワーでサメヴィランを中心にクレーターが出来上がる。


 ジェット噴射のようにエネルギーを放出し、バチバチと音を鳴らしている。

 

「さあ、はじめようか――」


 瞬間。

 サメヴィランの姿が消えた。

 

(はやい!?)


 銃弾を手でキャッチ出来る程の動体視力を持つジャスティアーナでさえその姿は捉えきれない程だった。


 咄嗟に相手の右のヒレの攻撃を防ぐ。


 ガッキィィィィィィイイイイイイイイイン!!


 大気が震え、地面が抉れる。

 あまりの衝撃でジャスティアーナの腕が痺れる。

 普通の人間だったら腕が千切れ飛ぶ程度では済まない。

 そのままゴミクズのように粉砕されていただろう。


「舐めないで!!」


「ッ!?」  

 

 素早くジャスティアーナも反撃に転じる。

 お互い殴り、蹴り――常人であるならばカメラでとんでもなくスローモーション再生にしなければ動きが捉えきれないだろう。


 それ程までに凄まじい攻防だった。


 そして打ち勝ったのは――


「ふん!!」


「きゃっ!?」


 サメヴィランだった。

 小高い丘に殴り飛ばして叩き付け、そのまま連続エネルギー弾を放つ。

 一発一発がとんでもなく早く、破壊力があるエネルギー弾はやがて大きなキノコ雲のような規模にまで発展する程の爆発になった。


「ははははははは!! この程度か!?」


「はああああああああ!?」


「!?」


 身体全身傷付きながらもサメを蹴り飛ばす。

 吹き飛んだ先に先回りしてさらに上空へ殴り飛ばし、ジャスティアーナは光線技を撃ち込んだ。


「ぬおおおおおおおおおおおおおお!?」


 光線に飲まれるサメヴィラン。

 

 手応えはあった。


 しかしサメヴィランは全身が少し黒焦げになっただけだった。


「流石最強のスーパーヒロインと称されるだけの事はある・・・・・・」


「まだ続けるつもり?」


「ふふふふ」


「?」


 不適な笑いを零すサメヴィラン。

 ジャスティアーナはイヤな予感がした。


「まさかこんなにも早く真の姿を見せる時がくるとはね――光栄に思うがいい。この姿を見せるのは!! キサマで最初で最後だ!!」


 身体が黄金になる。

 今迄とは段違いの強さに変貌した。

 変身時の力の解放で周囲のあらゆる物が吹き飛んだ。

 

 ジャスティアーナは先程迄とは別次元の力の違いを感じて恐怖を感じる。


 そこから先はサメヴィランの一方的な戦いでジャスティアーナは防戦一方だった。


(パワーだけでなく、スピードも段違いだわ――)


 こんなのどうやって勝てばいい?

 仮に他のヒーローがいたとしても足手纏いにしかならないだろう。

 それ程までの戦闘力だ。


「ここらで戦いはお仕舞いにしよう」


「!?」


 サメヴィランは上空で超巨大なエネルギーボールを形成する。

 五十m以上はある。

 この辺り一帯もろとも吹き飛ばすつもりだろう。

 人はいないとはいえ、自然環境に多大な被害を与えるレベルだ。

 最悪、人が住んでる都会にも深刻なダメージが届く程のエネルギー量だ。


「避ければここら一帯は吹き飛ぶぞ!!」


「クッ!」


 ヒロインとして迷うことなく、受け止める事を選択した。

 あまりにも凄まじいエネルギーの質量で身体が悲鳴を挙げて押しつぶされそうになる。


 エネルギーの余波で周辺の地面はどんどん陥没していく。

 

「フハハハハハハハ!! これでジャスティアーナは消え去った!! これで世界はこの俺にひれ伏すのだ!!」


 サメヴィランは勝利を悟り、高笑いをあげる。

 危うしジャスティアーナ。

 このまま敗北してしまうのだろうか?


「いいえ、まだよ! まだやれるわ!」


「なに!? 押し返して――」


「確かにアナタは強かったわ。たぶん歴代最強と言っていいぐらいに。でも、どんな困難でも乗り越えるのが――スーパーヒロインなんだから!!」


「し、しまっ――」


 そしてエネルギーボールが押し返された。

 サメヴィランは空高く――宇宙空間で核爆発級の大爆発とともに消滅したのであった。


「はあ・・・・・・はあ・・・・・・ゆるい外見からは想像も出来ない程の強敵だった・・・・・・」


 その場に倒れ込むジャスティアーナ。

 過去に相手したきたヴィランの中で最強に近い相手だった。

 もう二度と戦いたくない。

 心底そう思った。

  


 その後、Drジョーズは他のヒーロー達の手で全力で逮捕され、最高レベルの刑務所にぶち込まれた。


 しでかした事を考えれば当然っちゃ当然である。


 ジャスティアーナは世界を救ったスーパーヒロインとしてただでさえ大人気だったにも関わらずまたしても人気と名声を得ることになった。


 本人は「相手はサメのゆるキャラだったけどね」などと苦笑していたが。


 ジャスティアーナは暫く傷を癒やすことに専念し、現役復帰する。

 

 ついでにいっちゃ何だがトレーニングに力を入れ初め、修行でもしようか考えるようになったと言う。


 あと、自分の後継者とかもっと強いヒーローとヒロインの採用とか育成も考えるようになった。


 やらねばならない事は山積みだが一歩一歩進めていこうと思うジャスティアーナであった。 

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